2009年11月24日火曜日

環境エネルギーゲーミング in English

本日、7号のメールマガジンを配信しました。
講座についての飯田先生の寄稿をこのブログにもアップします!

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講義に関する寄稿:NEDO特別部門 飯田誠特任講師
「環境エネルギーゲーミング in English」


先日教養教育開発機構主催 「ジェネリックシンポジウム」に参加して、
「話すことで学生と教員双方の理解が深まる」・・ことについて考え
させられました。
今日は2009年度開講講義「環境エネルギーゲーミング in English」
について紹介したいと思います。本講義は、以前メルマガ第3号でも
紹介した2009年度夏に開講した講義「環境エネルギーゲーミング」の
英語版です。今学期は、工学教育推進機構の森村久美子先生にご協力
いただき、留学生も参加してもらえるような講義を意識しました。

「in English」についてお話しする前に、夏学期に丸山先生と共同で
開講した環境エネルギーゲーミング(日本語版)を簡単に紹介しておきます。
夏学期は、地球温暖化政策ゲーム「KEEP COOL2」、「貿易ゲーム」、
「マイアース」といった環境・エネルギーゲームを通じて、環境エネルギー
問題の波及効果やジレンマについて、体験、考えてもらい、最後には
自分たちで環境エネルギーに関するゲームをつくってもらいました。

この講義、思いのほか盛況で、そして当初目的としていた環境エネルギー
問題の難しさ、国際協調の難しさについて、他者との対話を通じた議論、
協力関係を築くということを学生たちに体験してもらうことができたと
感じています。環境エネルギー問題の多様性・波及効果の推定には、
うってつけの講義となりました。なにより学生たちが「ゲーム」という
こともあり、楽しんでもらえたことが大きかったのかもしれません。

実際の国際交渉の場を考えた時には、異なる文化背景を有する他の国の
人々と対話、交渉が必要になります。私は、国際標準化交渉の会議などで、
各国の文化背景と触れ合う機会が少なかったために、苦労したことが
あります。このような部分については、体験してもらえなかったことに
課題を感じました。夏学期は別の目的だったので、失敗ではないのですが、
日本人だけのゲームでは、「リアリティ(実践性)」に欠いていることに
課題を感じました。さらに、実際の国際交渉では、英語で議論することが
多く、英語で議論することに対する免疫をつけておく(練習の機会を
増やす)と、今後有用であると思いました。

そこで、冬学期のこの講義では、留学生も交えてさらに英語で交渉をする
講義を行ってみようと考えました。それが「環境エネルギーin English」
です。受講生は30人弱ですが、留学生、帰国子女などが1/4(7人)
参加してくれています。

授業は当初日本語&英語で始めましたが、徐々に英語にウェイトへシフト
するように試みています。現在第5回まで進めましたが、目的である
「英語を無理なく交渉に使う」ことは、意外にもスムーズだと感じています。
(もちろん、苦手な学生も見受けられますが、免疫はついてきたようです)
また、留学生に参加してもらっていることがやはり功を奏して日本語版の
時とは違った進行、交渉が発生しています。地球の危機にみんなで協力する
という世界も繰り広げられています。




写真は、それぞれのグループの世界で起きたゲームの進行を英語で
プレゼンテーションしている様子です。
この講義では、ゲームを単に楽しむだけでなく、その世界で起こった
こと、転換点(地球が滅びるにいたった経緯)なども考えさせています。
(もちろん英語でプレゼンの準備)次回以降、第二ラウンドで、チーム
換えをして別の立場、世界を体験してもらうことになります。彼らの
作っていくこれからの地球がどのようになっていくのか、実際の世界に
ついても楽しみです。


飯田 誠(いいだ まこと):
東京大学教養学部附属教養教育開発機構NEDO新環境
エネルギー科学創成特別部門特任講師。自身が研究
開発に携わった小型風車「エアドルフィン」が産官学連携
功労者表彰で経済産業大臣賞を受賞。

2009年11月12日木曜日

軽妙洒脱なエコトーク

9日(月)にやまだひさしさんをお招きして
新環境エネルギー科学創成特別部門主催の第5回トークショーが
開催されました。
「”やる気になる”環境問題~ムーヴメントは自分で作る」



会場は、教養学部の学生の他、他大学の学生さんや高校生、
あわせて50名ほどが集まりました。
やまださんご自身がラジオでこの企画についてPRしてくれたこともあり、
会場は熱気に包まれました。



やまださんが取り組む環境省のRe-Style Liveは、
音楽とエコのコラボレーションイベントですが、
2003年よりほぼ毎年開催し、
昨年は洞爺湖サミットが行われた北海道で開催されました。
やまださんご自身がPCで操作しながら、
これまでのイベントについて楽しく説明してくれました。

その他にも、アメリカのタオスにエネルギーや水を自給自足で生活する
建築家を取材したときの話や
高校生を対象としているRe-Style Talk Show Tour 2009など、
若い世代に訴求した環境活動は、常識に凝り固まったやり方は
通用しないと大人たちに苦言も。

「お父さんの若い頃はこうだった・・」とか
「江戸時代はよかった」なんてことを言っても始まらない。
そうではなくて、今の時代に生きている自分たちが
楽しい未来を描けるように「エコはかっこいい」と考えたらいいのだと。
環境問題はネガティブな側面を強調するのではなく
若い世代にとっては、楽しくエコに取り組もうという発想が
大事なんだということでした。



まるでラジオの公開録画のような楽しいトークライブでした。
「いや~、楽しかった」という感想がたくさん聞けたのも
うれしい反響です。

司会をつとめたのは、教養学部の飯塚修平さんと柴田智世さん。
学生と直接話したいとおっしゃっていたやまださんと
息のあったかけあいもなかなかよかったです。

今回のテーマ、
「”やる気になる”環境問題~ムーヴメントは自分で作る」でしたが
やる気になるお話がたくさん伺えました。
やまださん、ありがとうございました。

2009年11月5日木曜日

第5回トークショーのお知らせ

早いもので、もう11月です。
木枯らし1号も吹きましたし、日中は気温が上がるものの
朝夕は寒さがきびしくなってきましたね。

さて、NEDO特別部門主催のトークショー、
第5回目のゲストとして、
カリスマエコDJとして活躍中のやまだひさしさんをお迎えします。

「”やる気になる”環境問題~モーヴメントは自分で作る」
ゲスト:やまだひさしさん
日時:2009年11月9日(月)18:00~19:30
会場:東京大学教養学部105号館1階NEDOギャラリー



やまださんは、ミュージシャンらとともに音楽イベントを通して
エコへの思いを若い世代に伝える活動や
再生可能エネルギーの国内外の取材、
ラジオ番組で低炭素社会作りについて全国の高校生に呼び掛けるなど
積極的に環境問題に取り組んでいます。
やまださんの行動力の源泉は何なのでしょうか?
アーティスト達の環境活動の裏話などもお聞きしたいと思っています。
やまださんとのトークで、楽しい時間をごいっしょしましょう。

東京大学の学生だけではなく、一般の方の参加も歓迎しています。
ぜひ皆さん、お越しください。

2009年10月26日月曜日

トークショー報告

こんにちは。
きょうは秋雨、肌寒く感じます。

さて、先週22日(木)に丸山晴美さんを招いて
「自分でできる地球温暖化対策」をテーマに
トークショーを開催しました。
教養学部の飯塚修平さんが司会を務め、
省エネや節約についての楽しいトークで盛り上がりました。



省エネや節約のポイントは
「流れていくもの」「消えていくもの」を
できるだけ削減すること。
無駄を省くことで、環境にも配慮し、
自分が抱く夢に向かって貯金ができるという話に
うん、うんとうなづく人が少なくなかったようです。

丁寧に生きる、夢を持つ、今をしっかり生きていく、
・・・そうした言葉の数々も印象的でした。



今回ははじめて昼の時間帯に開催しましたが、
たまにはこうしたオープンスペースも
よかったです。

次回は、NEDOギャラリーで開催します。
また詳細についてはお知らせしますが、
司会は、飯塚さんが務めます。
今度はプロのDJを相手にどんなトークを展開してくれるのか
ひそかに私も楽しみにしています。


会場からも節約について熱心な質問が寄せられました


瀬川先生も丸山さんに質問


皆で記念撮影

2009年10月23日金曜日

ついにゴール!

こんにちは。
だいぶ秋らしい気候になってきました。

さて、第3回トークショーにゲスト出演してくださった
冒険家の風間深志さんから冒険が無事遂行されたとの
うれしい連絡をいただきました。

8月25日にオーストラリアの西の都パースをスタートした
WHO承認「運動器の十年世界キャンペーン」
障害者・オーストラリア5000km横断隊が、
10月16日、午後4時、東の都シドニーに無事到着致しました。
風間さんは横断隊の隊長です。

風間さん、そして横断隊の皆さん、お疲れ様でした!

現地でのエキサイティングな報告はこちらをご覧ください。
風間深志オーストラリア大陸自転車横断の旅

2009年10月16日金曜日

目からウロコ?の捕鯨問題

<○研究についての寄稿:大久保彩子特任研究員

「目からウロコ?の捕鯨問題:何が『問題』なのか」

新聞やテレビで捕鯨問題が報じられるとき、商業捕鯨の再開を目指す日本と、
感情的に、また強硬に捕鯨に反対する反捕鯨国(または反捕鯨団体)という
構図が必ずと言っていいほど登場する。そして、日本は食文化を守るために、
持続可能な資源利用のために、国際捕鯨委員会(IWC)の交渉において科学に
基づいた主張を展開している、とか、鯨が増えすぎれば鯨による魚の捕食で
漁獲量が減ってしまう、鯨は増えているのに捕るなというのはおかしい…等々、
いろいろな側面から「日本が捕鯨をしなければならない理由」が語られる。
そして、捕鯨に反対する国々ついては、その主張がどんなに
感情的で「非科学的」かが強調される。

しかし、日本は本当に商業捕鯨の再開を目指した政策をとっているのだろうか。
そして、現在、日本が科学研究のためとして実施している調査捕鯨の実態は
どのようなものなのか、鯨類の資源状態に対する国内外の科学者たちの見方は
どうなのか、また、そもそも鯨を食べることは「日本の食文化」と言えるのか。
こうした、議論の前提となるはずの事実関係をほとんど確認しないままに、
「捕鯨・イエスかノーか?」といった単純な図式で議論が盛り上がってしまうのも、
捕鯨問題の特徴である。

そこで本稿では、普段あまり報じられることのない、日本の捕鯨外交の実態に
ついて簡潔に述べていく。筆者はここ数年来、IWCの交渉会議にオブザーバー
として参加してきたが、その実態は、日本国内で報じられる姿とはだいぶ
違っている。日本は商業捕鯨の再開を目的として掲げていながら、その実現に
必要な行動を、ほとんどとってきていないのである。





(※写真は、国際捕鯨委員会IWCの会議の様子)

日本が商業捕鯨を再開するには、商業捕鯨モラトリアムを解除しなければ
ならず、そのためにはIWCで4分の3の賛成票を得る必要がある。日本は、
自らの主張を支持してくれる国の新規加盟を促しているものの、現状では
88カ国あるIWC加盟国のうち捕鯨推進・反捕鯨は約半数づつと拮抗しており、
新規加盟国の獲得だけでは、4分の3の賛成を得ることは不可能である。
現在、反捕鯨の立場をとる国々の半分を説得しなければならない。

実は、反捕鯨国とはいっても、厳しい管理の下でなら捕鯨を行ってもよいと
する国も存在する。商業捕鯨が再開された場合の鯨類の捕獲枠算定方式
(RMP)は、IWCの科学委員会により全会一致で勧告され、1994年にIWCも
これを正式に採択している。その後の交渉では、RMPで算出される捕獲枠の
遵守規制が焦点となってきた。RMPは、鯨類資源に関する様々な不確実性に
対する頑健性を備えた保全的な管理方式であり、RMPに従って、かつ、
国際的に合意された厳しい遵守規制の下でなら捕鯨を認めるべき、との声は
EU諸国の間でも出ていたのである。

日本がIWCの枠内で商業捕鯨を再開しようとするなら、どの程度厳しい規制
を講じ、また規制に必要な費用を負担する用意があるのかを示し、本格的な
交渉に着手すべきであった。しかし、日本は遵守規制の交渉において、捕鯨は
あくまで漁業の一つであり、過度な規制は必要なく、規制費用も全IWC加盟国
で負担すべきとの立場を曲げず、最も厳しい規制と、捕鯨国による費用負担を
求める国々との間で妥協を図ることはなかった。さらに、商業捕鯨モラトリアム
を解除するならば、各国の裁量で行われている調査捕鯨に何らかの国際規制を
かけるべき、との意見には、日本は真っ向から反対。遵守規制の交渉では、
そんな対立が長らく続き、交渉は2006年に決裂してしまった。

IWCの国際交渉を間近で見てみると、日本の調査捕鯨へのこだわりが、いかに
商業捕鯨の再開に向けて日本が取りうる行動を制約しているのかが、よく分かる。
日本は、商業捕鯨モラトリアムの発効を受けて、「商業捕鯨が再開された場合の
資源管理に役立てるため」として、国際捕鯨取締条約第8条に定められている
調査捕鯨の規定を活用し、商業捕鯨から調査捕鯨に「切り換え」た。当時、調査
捕鯨の研究計画の策定を担当した科学者は、長期間を必要とし、多くの捕獲頭数
を必要とする計画とするよう指示を受けたという。1987年の調査開始から
今までの捕獲頭数は、すべての鯨種・海域あわせて12,626頭。

調査捕鯨の計画は、事前にIWCの科学委員会に提出し審議することになって
いるが、科学委員会で指摘された改善案などを計画に反映させる義務はなく、
調査捕鯨は事実上、国際規制を受けることなく各国の裁量で実施することが
できる。日本はこれまで、反対国からの強い批判を受けながらも、捕獲対象と
なる鯨種を拡大し、捕獲頭数も大幅にアップしてきた。また、RMPによる
捕獲枠の算定には、調査捕鯨のデータは必要ないことや、研究成果に資源管理
に資する査読論文が極めて少ないことなどからも、商業捕鯨の再開に役立つ
ような内容にはなっていない。

また、外交交渉においても、調査捕鯨は商業捕鯨モラトリアム解除という点で
大きな阻害要因である。遵守規制の交渉で調査捕鯨が大きな対立点になって
いたことは先に述べた。さらに、IWCではこれまで数度にわたって、南極海の
調査捕鯨を停止または縮小すれば、日本の周辺海域において限定的な沿岸
捕鯨を認める提案が出されているが、日本はそうした妥協に応じたことはない。
日本は商業捕鯨モラトリアムによって経済的に困窮している地域の救済を
訴えてきたが、実際には南極海の調査捕鯨を優先させる行動になっている。

こうしてみると、日本の捕鯨外交は、何より調査捕鯨の維持拡大を最優先して
きたことがわかる。そして、調査捕鯨を維持していくには、実は商業捕鯨
モラトリアムは必要なのである。モラトリアムが解除されてしまえば、
「商業捕鯨再開のため」の調査捕鯨を継続する根拠がなくなる。調査捕鯨は
年間約5億円の国庫補助金と、調査の副産物として生じる鯨肉の売り上げ
収入で調査費用を賄っているが、商業捕鯨となったら、そのような補助金を
受け取ることはできなくなるだろう。そして、さらに重要なことに、モラトリアムが
解除されたとしても、南極海の捕鯨に乗り出す民間企業はいなそう、なのである。

現実には、IWCでは、「感情的で非科学的な反捕鯨国のせいで」、商業捕鯨
モラトリアムが解除される見通しはない。反捕鯨国もまた、日本の調査捕鯨を
一方的な行動として強く批判することで、鯨類保全の姿勢を自らの支持者たちに
アピールしながらも、調査捕鯨を国際規制のもとに置くための妥協はしていない。
こうしてみると、反捕鯨国の強硬な態度が、実は日本の調査捕鯨を支えている。
このように、日本と反捕鯨国の間には、お互いに不機嫌な顔をしつつも現状に
安住する、ある種の共生関係があるといえる。

果たして捕鯨規制のあり方は、これで良いのだろうか。答えは否、である。
国際的には、関係国の合意に基づく捕鯨の管理は不在のままである。国内的
には、商業捕鯨の再開に役立てるはずが、いまや国際交渉において商業捕鯨
再開の阻害要因となっている調査捕鯨を、税金を投入しながら実施し続ける
現在の日本の捕鯨政策は、責任説明を著しく欠いた状態にある。

ところで、鯨を食べることは日本の食文化であり、外国にとやかく言われる
筋合いはない、という言い方をよくに耳にする。しかし、1970年以降の国会
議事録と、朝日新聞の記事において捕鯨に言及した個所をすべてチェックした
ところ、捕鯨の文脈で「文化」という言葉が使われたのは、1979年が
最初である。それ以前は、「鯨は重要なタンパク源」という言い方はあるが、
文化の問題として論じられることはなかった。当時、「国際PR」という
広告代理店が、日本捕鯨協会の委託を受けて、捕鯨に好意的な有識者
グループを組織して捕鯨と日本の食文化とを結びつけた国内キャンペーンを
展開しており、その有識者グループのアピール文を紹介したのが、朝日新聞に
おいて捕鯨の文脈で初めて「文化」という言葉が使われた記事である。鯨は
日本の食文化、という言説は、もともとあったわけではなく、上記のキャンペーン
などを通じて構築されてきたものであることに、留意すべきであろう。

★詳しくは、Atsushi Ishii & Ayako Okubo (2007) “An Alternative Explanation
of Japan's Whaling Diplomacy in the Post-Moratorium Era” Journal of
International Wildlife Law & Policy, Volume 10, Issue 1, pages 55 – 87.
10.1080/13880290701229911(日本語版はhttp://www2s.biglobe.ne.jp/~stars/pdf/Ishii_Okubo_JIWLP_J.pdf
を、ぜひ読んでみてください。

大久保 彩子(おおくぼ あやこ):
東京大学先端科学技術研究センター特任研究員。
米本研究室所属。専門は環境政策論。商業捕鯨
モラトリアム以降の日本の捕鯨外交を新たな視点で
読み解く。

2009年10月8日木曜日

第4回トークショー開催!

秋以降も素敵なゲストをお招きして、環境とエネルギーについて
考えていきます。
一般からの参加も可能です。
ふるってご参加ください!

第4回新環境エネルギー科学創成特別部門トークショー
『自分でできる地球温暖化対策~エコフレンドリーなライフスタイルを考える』

日時:2009年10月22日(木)
12:10-12:50 (第1部 トークショー) 
12:50-13:20 (第2部 フリーディスカッション)
場所:東京大学教養学部生協前広場(生協北側)
ゲスト:丸山晴美さん(節約アドバイザー・ファイナンシャルプランナー)
参加費:無料

TVや雑誌で数々の節約ワザを披露し、カリスマ節約アドバイザーとして活躍中の
丸山晴美さんをゲストにお迎えします。ひとり暮らしの学生にも役立つ省エネ術で
自分でできる地球温暖化対策を考えます。
省エネの視点からの身近な環境とエネルギー問題について、丸山さんと楽しく
ディスカッションしながらエコフレンドリーなライフスタイルを模索します!



学外で参加を希望される方はできるだけ事前の登録をお願いいたします。
お名前とご所属をお知らせください。

  申込先:info@komed.c.u-tokyo.ac.jp

日本の中期目標~先端研カフェより

引き続き昨日配信したメルマガから記事を転載します。
先端研では、カフェスペースでさまざまなセミナーを開催していますが
今ニュースでもよく取り上げられている中期目標について
第一線で活躍する研究者おふたりを招いたセミナーについての報告です。

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○環境エネルギーコラム:
新環境エネルギー科学創成特別部門セミナー
地球温暖化-日本の戦略(第3回)
『日本の中期目標-その評価と実現のための方策』

第3回を迎えた「地球温暖化-日本の戦略」セミナーが9月25日(金)
に先端研1階カフェで開催されました。
スピーカーとして、地球環境産業技術研究機構(RITE)の秋元圭吾
副主席研究員と国立環境研究所地球環境研究センターの藤野純一
主任研究員をお招きし、先端研NEDO特別部門の山口光恒特任教授が
案内役をつとめました。

先日の国連気候変動首脳会議の場で、鳩山首相が日本の中期目標として
20年までに1990年比「温室効果ガス25%削減」を国際公約として
表明しましたが、RITEの秋元氏からは、『日本の中期目標検討』と題し、
麻生政権時に策定した中期目標(2005年比15%削減)が中期目標検討委員会
において検討された当時の話を下記の4つの視点からされました。

① 長期的に求められる温室効果ガス排出削減に十分こたえたものか
② 国際社会における排出削減分担の中で十分な役割を果たせるか
③ 技術的に実現できる可能性のある目標か
④ 社会全体、家計にどのような影響が生じるか

結論として麻生政権時に表明した中期目標(2005年比15%削減)でも、
社会全体、家計に相当大きな負担が生じ、大変厳しいぎりぎりのレベルの
削減目標であり、世界をリードした目標であったということでした。
鳩山政権が打ち出した新たな中期目標については、設備投資の増大という正の
効果を見込んでも、10年ほどの期間で現時点で存在しないような新技術が
開発され広く普及するとは考えにくく、投資をすれば返ってくるとするのは
ミスリーディングで、過大な期待を抱くべきではないとの話でした。

国立環境研究所の藤野氏からは、2009年4月14日に行われた第7回中期目標
検討委員会での「中期目標に関する意見」として提出した資料が紹介されました。
国立環境研究所を中心とするAIMプロジェクトチームでは中期目標を検討する
にあたり、以下の順で4つの視点が重要だとしています。

① 長期的な地球温暖化の被害をいかに食い止めるか
② 長期を見据え、温室効果ガス排出量をどの水準にまで削減するか
③ 温室効果ガスの削減にあたってどのように衡平に分担するか
④ 温室効果ガス削減による経済的な影響をいかに抑えるか

大気中の温室効果ガスの濃度を450ppmに安定化する場合、先進国は
2020年に1990年比25%~40%の削減が、2050年には80~95%の削減が必要。
その際の対策の導入には追加的に費用がかかるものの、エネルギー費用の節約に
よって多くが相殺され、費用は回収することが可能で、温暖化対策に消極的な
場合に比べて経済成長の速度は減速するものの、経済は成長する見込みである
という結論でした。

対照的な見解を持つ両者のお話を伺った後は、先端研や他大学の研究者、
シンクタンク、産業界等多くの出席者から活発な質問が出され、2時間半の
セミナーは終了時間を過ぎてもまだ議論し尽くせないという雰囲気でした。
COP15が今年12月デンマークで開催されますが、アメリカや中国といった主要
排出国が意欲的な参加をしてくるのか、まだわかりません。
「温室効果ガス25%削減」については、日本全体での議論が必要になるのは
間違いありません。

※このセミナーの詳細は後日、先端研のホームページに掲載予定です。

太陽電池にかける期待

台風18号の影響で雨風強く、今朝はJRなどで電車が運休し
通勤超ラッシュにもまれました。

さて、昨日メルマガ5号を配信しました。
内田先生の「太陽電池にかける期待」と題した寄稿をご紹介します。

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「太陽電池にかける期待」

大変な時代になったと思う。今年1月、Change!(チェンジ)を合い言葉に、
オバマ氏が米国大統領に就任した。新大統領は直ちに風力・太陽光・
バイオマス等の開発と導入に10年間で1500億ドルを投じ、500万人規模の
新規雇用を生み出す政策を打ち立てた。

この気運は瞬く間に世界に波及し、日本では麻生前首相が環境投資で雇用拡大を
計る「日本版グリーン・ニューディール」構想の策定を指示した。地球温暖化対策と
景気刺激を両立させようとしたもので、省エネ技術や製品の開発・普及などへの
投資を促進し、二酸化炭素(CO2)排出量の抑制を図ると同時に、環境関連産業の
振興を通じ雇用を創出するという試みである。

 かくして自然エネルギーへの期待は高まる一方だが、太陽光発電は世界を
リードする日本でさえ現状は92万kW(2007年生産量)、全エネルギー消費量の
0.1%にも満たない。次世代の発電システムの開発は待ったなしの状況にあるが、
飛躍への課題は一にも二にもコストである。

 こうした中、“色素増感型”あるいは“グレッツェル・セル”などと呼ばれる
新型の有機系太陽電池が注目されるようになった。この電池は高純度のシリコン
半導体を使わず、ヨウ素溶液を介したシンプルな電気化学セル構造を持つのが
特徴で、電解質溶液の酸化還元反応を伴うことから光合成に例えて
“光合成模倣型光電池”といった呼ばれ方をすることもある。また毒性元素を
含まない・製造コストが低い等環境負荷も小さく、時代の要請に即したデバイス
でもある。今から来年以降の実用化動向が楽しみである。



内田 聡(うちだ さとし):
東京大学先端科学技術研究センター特任准教授。瀬川研究室所属。
専門は色素増感太陽電池、スポンジ酸化チタンの研究。
自身のホームページ『内田Home Page』は一日のアクセス数
1000件を超え、『色素増感太陽電池』のキーワードで
Geogle検索すると一番目に表記されるほど認知度が高い。

2009年9月17日木曜日

『海の森』再生の最前線!

こんにちは。
東京はまだ残暑で夏の名残りを感じる天候が続いています。
さて昨日、無事4号目のメルマガを配信しました。

メルマガに掲載された山本光夫先生の寄稿を転載したいと思います。

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○ゼミについての寄稿:山本光夫特任講師

「全学体験ゼミナール『海の森』再生の最前線を体験する」

 NEDO特別部門では、環境・エネルギー問題の本質を理解することを目的として、
教室での授業(座学)だけでなく、実際の対策現場に赴くフィールド学習授業を
開講しています。全学体験ゼミナール「『海の森』再生の最前線を体験する」は、
前回紹介させていただいた磯焼け回復技術に関する研究(「海の森」再生プロジェ
クト)で最初に実証試験を行った北海道増毛町にて昨年度より開講している授業です。

 磯焼けとは日本や世界各地の沿岸海域において生じている海藻群落が衰退または
消失する現象ですが、北海道では特に日本海側で生じています。今回全学体験ゼミを
実施した増毛町は旭川市の南西部、日本海側に位置しています。このゼミは、
実際の磯焼け現場と磯焼け回復実験が行われている海域を視察し、藻場再生への
取り組みや現場で対策に取り組む方々に触れること通じて、一般的に環境問題解決
のためにはどのようなアプローチが必要なのかを学ぶことが目標です。今年度は、
8月18~20日の2泊3日で実施しました。
以下に3日間の様子を紹介します。

<第1日目>
 新千歳空港からマイクロバスにて増毛町に向かい、お昼過ぎに増毛町に入りました。
この日は、実際に実証試験が行われている増毛町舎熊海岸の現場を海岸と海上から
視察を行いました。増毛町へマイクロバスで移動するには理由があります。敢えて
海岸線を通る経路にし、北海道日本海側の海の様子を観察するためです。天候の
良いときはエメラルドグリーンの海が広がっている様子が観察できるのですが、
これが磯焼けによるものであるということを実証試験現場の視察後に学生達は
理解できたようでした。実証試験現場では、実際の現場工事や水中調査を実施して
くださっている㈱オーシャングリーンの渋谷正信社長から、製鋼スラグと腐植物質
が入ったユニットが設置された場所や海藻の生育状況などについて詳細な説明を
受けました。学生達は、実際に自分の目で現場を見ることで、事前学習してきた
磯焼けとその対策現場の状況を実感することができたようです。


(※実証試験現場の視察)

<2日目>
 午前中は、宿舎となっている旧雄冬小中学校にて海水分析の実験を行いました。
分析といっても簡易的な機器を用いるため、分析精度は必ずしもよいとはいえない
ものの、場所の違いによる海水成分の違いや実証試験等を行なう際に必要な海水
分析の方法を理解する目的で行いました。学生達は、増毛町の海域や他の海域の
海水、また温泉水などの鉄や栄養塩などの測定を試み、分析手法やその必要性の
理解を深めたようでした。午後は、増毛町総合交流促進施設元陣屋にて、講義を
行いました。この講義では、現地漁業関係者として増毛漁業協同組合の竹内廣中
指導課長、渋谷社長、そしてNEDO特別部門から私と丸山康司特任准教授が授業を
行いました。竹内指導課長は、増毛漁業協同組合における磯焼け対策のこれまで
の先進的な取り組みについてお話をしてくださいました。


(※写真は竹内廣中指導課長)

 そして渋谷社長からは、自身が磯焼け対策にかかわってきた7年間について
幅広く話をしていただきました。また私からは、磯焼け回復技術を支える鉄と
腐植物質に関する基礎研究と海藻群落の再生による二酸化炭素固定効果などに
ついて少し専門的な授業を行いました。最後に丸山特任准教授からは、
環境対策を試みる際、個々の置かれている立場(社会的立場)の違いによって
対象の捉え方に差異が生じること、その問題を解決するための仕組み作りが
重要であることが実例を通して話されました。
なおこの講義は、公開授業として、地元水産関係者や一般町民など約15名も
参加され、8月21日付の地元紙『日刊留萌』には講義の様子が紹介されました。
授業のあとは、増毛町漁業協同組合漁村センターにおいて、地元海産物を
使ったバーベキューが行われ、地元関係者と学生との交流も行うことが
できました。


<3日目>
 最終日の午前中は、海藻群落など海の生態系への影響も指摘されている
砂防ダムの見学や、広く増毛町の風土を理解するために、サケの孵化場や
果樹園の見学を行いました。その後、増毛町での磯焼けに関する授業の
まとめを行い、増毛町を後にしました。そして午後は増毛町に隣接する
留萌市にある、留萌風力発電所の見学を行いました。
これは環境問題と同時にエネルギー問題、特に再生可能エネルギーに
ついての理解を深めることを目的として行ったものです。留萌市役所の
担当者の方に説明していただき、実際に風車の真下に行って風車の仕組み
などについて学習しました。





 以上が3日間の授業レポートとなりますが、受講学生からは「今回のゼミは
磯焼け問題をよく理解するということはもちろんだが、同時に環境問題解決
へのアプローチ方法、異なる立場の間の協力や妥協などについて学ぶもので
あったように思う。」「座学の授業で、環境エネルギー問題の概論を学んで
きたが、今回の実習を通してより一層理解を深めることが出来た。」といった
声をはじめとして、本ゼミで貴重な体験をすることができたとの感想が多く
寄せられました。この現場を重視したNEDO特別部門の全学体験ゼミナールは、
冬学期には青森県鰺ヶ沢町で開講されますが、本部門の特長的な授業として
来年以降も大事にしていきたいと考えています。


山本光夫:
東京大学教養学部附属教養教育開発機構特任講師。
今年度夏学期は『テーマ講義:環境・エネルギー問題
解決へのビジョン~その現状と対策技術の将来性~』と
『全学体験ゼミナール』のゼミを担当。
海洋に関する環境技術論には定評がある。

2009年8月31日月曜日

Organic PV Solar Summit Japan 2009

嵐のような衆議院選挙が終わり、
きょうは台風の影響で朝から大雨です。
蒸し暑い日が続いていましたが、
きょうは肌寒く感じられます。

さて、内田特任准教授も講師として名を連ねる
Organic PV Solar Summit Japan 2009
開催のお知らせです。

9月2日(水)、3日(木)の両日シェラトン都ホテル東京にて
開催されます。
有機系太陽電池の最新のイノベーション情報など
密度濃い内容が提供されることが期待されています。

内田先生のお話は2日(水)9:30 – 10:00
「実用化に向けた色素増感太陽電池」と題して行われます。

概要:
地球温暖化対策の観点から自然エネルギーへの期待は高まる一方だが、太陽光発電は世界をリードする日本でさえ現状は92万kW(2007年生産量)、全エネルギー消費量の0.1%にも満たない。次世代の発電システムの開発は待ったなしの状況にあるが、飛躍への課題は一にも二にもコストである。こうした観点から、次世代型の非シリコン系太陽電池に向けた期待は日増しに高まっている。本講では実用化目前の色素増感太陽電池の開発動向について概説する。

関連の企業の方、また有機系太陽電池に興味のある方で
参加希望の方はウェブサイトをご参照ください。

2009年8月21日金曜日

風間深志さん、次の冒険へ

こんにちは。
夏も終盤になり、青空の広がる日が増えました。

さて、先月のエコトークショーにゲストでお迎えした
冒険家の風間深志さんがいよいよ明日から新たな冒険への旅に
出発されるそうです。
オーストラリア大陸5000キロを自転車で横断するという
壮大な旅です。

今回は、一般参加の3名とともにチャレンジ。
WHO(世界保健機関)の「運動器の10年世界運動キャンペーン」の
活動の一環で、サポートドクターも全行程で4名同行します。
詳細は、風間さんのブログとWHOのHPでどうぞ。

風間深志オフィシャルブログ

WHO 運動器の10年世界運動キャンペーン

10月19日に帰国予定とのこと。
冒険の成功をお祈りするとともに、
元気に戻られることを楽しみにお待ちしております!

冒険の経過はasahi com.で紹介されるとのこと。
昨年度の「風間深志のアフリカ縦断」のレポートも読みごたえありです。

2009年8月18日火曜日

海の森再生プロジェクト

こんにちは。
皆さん、楽しい夏休みを過ごされましたか?

さて、メルマガ3号に掲載した山本光夫先生の研究に関する寄稿を
このブログでもご紹介したいと思います。
磯焼けを再生させるという、画期的なプロジェクトです。
ぜひご一読ください。


○研究についての寄稿:山本光夫特任講師

『「海の森」再生プロジェクト-
鉄鋼スラグと未利用バイオマスによる磯焼け回復技術』

陸上における「砂漠化」と同様、海洋においても「砂漠化」が生じていることは、
一般的にはそれほど知られていないでしょう。ここで言う「海の砂漠化」とは
日本や世界各地の沿岸海域で海藻群落が消失している「磯焼け」現象のことを
指します。この磯焼けの原因としては、水温上昇、ウニなどの藻食動物による食害
のほか、溶存鉄不足など様々な要因が考えられます。磯焼け対策としては、藻食
動物の除去や防御といった食害に着目した対策が広く行われてきていますが、
筆者らは溶存鉄不足に着目した新たな磯焼け対策技術の研究開発に取り組んでいます。

 海藻成長にとって必須成分である鉄は、本来、森・川・海のつながりによって
供給されますが、護岸工事や河口堰建設などによって鉄供給不足となり、その結果
海藻群落が衰退・消失すると考えられています。この鉄不足に対して、鉄鋼スラグ
と未利用バイオマス(腐植物質)を用いて人為的に鉄(フルボ酸鉄・フミン酸鉄)
を供給することを考えたものが本技術です。

この技術の大きな特長は、環境問題の解決と同時に産業副産物等の有効利用が
可能であることで、一石二鳥の効果を狙っています。約10年前より故・定方正毅
東京大学名誉教授によって研究が始められ、企業との共同研究へと発展して
海の緑化研究会が発足しました。
現在は大学・研究機関などが5以上、企業10社から構成される研究会へと発展し、
本技術の実用化に向けた産学連携のプロジェクトが実施されています。
この3月には、これまでの成果をまとめたシンポジウムも開催いたしました。
(※シンポジウムの概要

 この技術開発の転機となったのは、2004年10月より実施された
北海道増毛町舎熊海岸における実証試験でした。それまでの基礎研究に
基づいて行われたこの試験において、鉄鋼スラグと腐植物質を混合したユニットを
海岸汀線に設置した結果、試験開始翌年には磯焼け海域において海藻群落の再生が
確認でき、本技術が藻場再生に効果のあることが確認されました。
現在は、増毛町において効果の継続性評価が行われているとともに、北海道、
九州をはじめとした全国約20箇所(以上)に実証試験が拡大しており、
磯焼け対策技術としての有効性・汎用性が示されつつあります。





(写真は実証試験前の海底と再生した海藻群落~以下URLより。
本技術の詳細はこちらをご覧ください。)

 本技術は、海藻群落の再生への着眼点を「海藻を食べる生物を取り除く」ことか
ら「生物からの摂食に負けない海藻量に増やす」という俯瞰的な視点に立った発想の
転換により生まれた技術と言えます。
またプロジェクトの体制も、筆者の専門である化学工学だけでなく有機化学や
藻類額など多分野の研究者、そして多数の企業から成り立っており、異分野融合の
取り組みと言えるでしょう。
こういった観点から、磯焼け対策という個別環境技術の確立という次元に留まらず、
環境やエネルギーの問題解決に必要な「俯瞰性」や「異分野融合」という要素を
含んでいると言えます。

これを踏まえて、現在筆者はNEDO特別部門において磯焼けを題材とした授業を
行っています。座学(総合科目やテーマ講義)だけでなく、全学体験ゼミナールなど
現場体験を重視した科目の開講もしています。
 本技術の今後の展開としては、藻場造成による二酸化炭素吸収効果(地球温暖化
対策)や、バイオ燃料への海藻の利用などが期待されています。
一方で、筆者は森・川・海のつながりについて鉄を柱として明らかにする研究を
開始しています。これは生態学ともつながりのできる可能性があります。
このように、「海の森」再生のプロジェクトをベースとして、幅広く環境や
エネルギー問題解決へとつながる研究展開を今後行っていきたいと考えています。


山本光夫:
東京大学教養学部附属教養教育開発機構特任講師。
今年度夏学期は『テーマ講義:環境・エネルギー問題
解決へのビジョン~その現状と対策技術の将来性~』と
『全学体験ゼミナール』のゼミを担当。
海洋に関する環境技術論には定評がある

2009年8月6日木曜日

夏季公開講座(ペーパークラフト)


去る8月1日(土)、8月2日(日)、「ペーパー風車を作ろう!」と題して、神戸高専早稲田先生協力のもと小中学生向け 夏季公開講座を開講いたしました。
この公開講座は、風車の仕組みを理解してもらうとともに、ものつくりの面白さ、難しさを体験してもらうことを目的として、約100組もの親子に参加していただきました。
最初は、風車の仕組みや風車の地図記号などを紹介して、そのあと工作を開始。みんな黙々と(?)風車作りを楽しんでいました。東大・神戸高専の学生に協力してもらったおかげで、参加者全員がきちんと回る風車を作り上げることができました。感謝です。

子供たちからも「風車の仕組みがわかるようになった」、「楽しかったです。ありがとうございました」など感想をもらえ、安心するとともに、一部の中学生などからは、「もう少し細かな話を聞きたかった」などの意見ももらい、今後機会があれば改善していきたいと感じました。

子供たちにとって、環境エネルギーシステムを考えてもらう一つのきっかけにはなったかもしれませんが、自分自身にとっては、適切なレベルで教えるということの難しさを考えさせられる有意義な楽しい二日間となりました。

2009年7月27日月曜日

NEWTON9月号



NEWTON9月号の特集は『太陽光発電』。
瀬川教授が取材に協力、監修しています。(P40-P43)

世界的に普及が爆発的に進む太陽光発電について
徹底取材、読み応えのある一冊となっています。
ぜひご一読を!

2009年7月22日水曜日

イベント案内~先端研より

きょうは皆既日食。
東京はあいにく朝から雨まじりの厚い雲が上空を覆いました。
部分日食を見逃して残念・・・

さて、きょうは『先端研 地球環境問題カフェセミナー』の
ご案内です。
 
日時:2009年7月29日(水)17時30分~18時30分
場所:14号館1階 先端研カフェ
講師:田近 英一 准教授 
  (東京大学理学系研究科地球惑星科学専攻)
題目:「地球史における物質循環と地球システム変動」

地球全体をひとつのシステムとしてとらえる地球惑星システム科学の視点から,
過去に生じた大規模地球環境変動を解明する試みについて紹介する.地球システ
ムにおける重要な相互作用として物質循環とエネルギー輸送があるが,これらが
変化することによって地球環境変動が生じると理解することができる.そのよう
な具体例として,いまから約1億年前の白亜紀の温暖化と,そうした温暖期に特
異的に生じたことが知られる海洋無酸素イベントについて,数値モデルを用いた
解析結果を紹介する.とりわけ,海洋生物化学循環の変動によって底生生物の絶
滅や生態系の変化が生じたことを説明できることを述べる.さらに,いまから約
6億年前に生じた全球凍結(スノーボールアース)イベントがどのような地球シ
ステム変動であったのか,その物理化学的側面と生物進化との関連についての議
論も紹介したい.

2009年7月18日土曜日

市民風車わんず

本格的な夏の到来となりました。
暑さにめげず、お元気でお過ごしでしょうか。
さて、きょうは市民風車の話題について。

当部門の丸山康司特任准教授は、大学教員の顔とは別に
NPOグリーンエネルギー青森の理事長でもいらっしゃいます。
NPOは、循環型社会の実現と地域の自立の目的として
設立されたそうです。

2002年よりグリーンエネルギー青森は、
日本では二番目となる市民風車事業を始め、
あおもり市民風力発電所、通称『市民風車わんず』を
建てました。



わんずはドイツのTacke社製で、
全長は100m、タワーが65mで、ブレードが半径35m。
220mの円を描きながら回っていることになるそうです。
総重量は159t、定格出力は1,500kWで、
年間発電量見込みは370万kWh(約1100世帯分)とのこと。
わんずは、けっこうな発電量を誇っています。

総工費3億数千万円の半額については
NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)が実施している
「平成14年度新エネルギー草の根支援事業」からの補助を受け、
残りの半分については市民出資から資金を調達し、
さらに不足する分については銀行からの融資も受けているそうです。

ヨーロッパでは盛んな市民風車ですが、
環境にやさしいエネルギーに注目が集まる中、
地域振興の目的からも日本ではこれから普及が期待されそうです。
私もぜひ一度わんずに会いたいです!

丸山先生、よろしければわんずの近況をお教えください。

NPOグリーンエネルギー青森

2009年7月17日金曜日

特別部門のユニークなゼミ

昨日無事2号目のメルマガを配信できました。
メルマガに特別部門ならではのゼミについて
丸山康司特任准教授から寄稿していただきました。
抜粋してブログでもご紹介いたします。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
○ゼミの紹介
寄稿:『ユニークな特別部門のゼミ』丸山康司特任准教授

NEDO特別部門では、ちょっと変わった取り組みとしてゲームを活用した
ゼミを実施しています。環境問題をテーマにしたゲームを実際にやりながら、
問題の背景や解決方法についてイメージを掴むのが目的です。

例えばキープクールというゲームでは、各プレイヤーは先進国、産油国、
発展途上国などの特徴をもった国を担当し、工場を建設して経済発展を
目指します。



そこでは思いきり自己中心的に振る舞うのですが、
その一方で、エゴを押し通すことも難しくなっています。無節操に工場を
建ててしまうと災害が起きやすくなり、最悪の場合には地球滅亡という
結果に終わることもあります。
この辺はドイツ生まれのゲームらしく色々と凝った設定が盛り込まれて
おり、競争と協調のバランスをとりながら環境問題の複雑さを体感できます。

色々と交渉や駆け引きがあり、発展途上国でもしたたかに勝つことが
できます。環境保全を建前に自分の利益を追求することもできます。

こうした喜怒哀楽も含め、授業ではゲームと現実の共通点や相違点などを
比較し、問題を現実に解決するためにはどうしたら良いかを考えています。
また、自分たちなりの環境問題の理解を盛り込み、新たなゲームを
考えています。

2009年7月16日木曜日

日韓合同セミナー

こんにちは、飯田です。
今日は、日韓合同セミナーに参加されたソウル大学大学院の学生さん達に、駒場AIRDOLPHINを紹介しました。
驚いたのは日本語が非常に堪能なことと、風車に対する興味関心が高かったこと。「どのくらい発電するのですか?」、「効率は?」、「一般の家でも使えますか?」、「安定化制御しているのですか?」...など。なかなかピンポイントな質問で、感心させられました。
環境エネルギー分野は、特に世界的な課題なので、次世代を担う若者たちのこういった交流は、非常に貴重で有用だと感じました。

2009年7月15日水曜日

「太陽光発電」成果報告会

明日17日(金)にNEDO技術開発機構主催の
平成20年度「太陽光発電技術開発及び関連事業」成果報告会が
開催されます。

日時:平成21年7月17日(金)10時00分~15時30分
場所:はまぎんホールヴァマーレ
   〒220-8611 横浜市西区みなとみらい3-1-1
   (横浜ランドマークタワー隣、横浜銀行本店ビル1F)

瀬川研究室も東大グループによる
「実施体制①ポストシリコン超高率太陽電池の研究開発」
に関わっています。
また午後からのポスターセッションにも参加します。

詳しくは下記ウェブサイトをご覧ください。
平成20年度「太陽光発電技術開発及び関連事業」成果報告会プログラム

スコットランド大臣の講演会

おはようございます。
きょうも朝から猛暑です。
熱中症予防のために水分補給を忘れないようにしたいですね。

さて、きょうは来週21日に東京大学教養学部で開催予定の
講演会についてのご案内です。

スコットランドのジョン・スウィニー財務大臣兼持続成長担当大臣が
『スコットランド~気候変動との戦いの先駆けとして』と題して
スコットランドで導入が進む波力発電や風力発電など
再生可能エネルギーにおける世界的なリーダーをめざす
スコットランドの政策と現況についてお話くださいます。

世界発の波力発電ビジネスをスタートしたことで
話題となっているスコットランド。
大臣から直接話が聞けるチャンスです。
ぜひご参加ください。

◆イベント案内「スコットランド大臣講演会」

スコットランド - 気象変動との戦いの先駆けとして
Scotland - Inspiring by example in the fight against climate change

日時:平成21年7月21日(火)14時30分~15時30分
場所:東京大学教養学部駒場キャンパスⅠ18号館1階ホール

ジョン ・ スウィニー氏 (Mr. John Swinney) スコットランド議会議員 (MSP)
スコットランド政府財務大臣 兼 持続的成長 担当大臣
Mr. John Swinney MSP Cabinet Secretary for Finance and Sustainable Growth

申込は下記のウェブサイトからどうぞ。
スコットランド大臣講演会申込

2009年7月13日月曜日

ペーパー風車を作ってみよう!

今朝は真夏のような日差しが照りつけています。
これから本格的な夏到来ですね。

さて、きょうはお子さん向けの夏休みの公開講座のご案内です。
最近よく見かけるようになった風力発電用風車のミニチュアペーパー
クラフトを作ります。

夏休み・もの作り教室

日時:平成21年8月1日(土)、2日(日)
   10:00-12:00、13:00-15:00(各日2回)
対象:小学生・中学生とその家族(定員20家族)
   ※低学年のお子様は、保護者の方のお手伝いが必要です。
問い合わせ:電話03-5465-8212(担当:飯田誠特任講師)
      メールinfo@komed.c.u-tokyo.ac.jp
〆切は、平成21年7月24日(金)

協力:神戸市立工業高等専門学校 早稲田一嘉

当日は飯田先生による風車についてのおもしろいお話も
期待してください!
皆さんのご応募お待ちしています。

2009年7月10日金曜日

風間深志さんのエコトーク



おはようございます。

昨日9日(木)に特別部門主催の第3回エコトークショーが
冒険家でNPO地球元気村村長の風間深志さんをお迎えして行われました。
テーマは『大自然への挑戦から学んだ自然と家族の大切さ』。

バイクでの史上初の北極点と南極点の到達、
そしてエベレストのプリモ南稜からの世界最高高度5880メートル到達と
3つの世界記録を持つ風間さんからは、 挑戦を果敢に遂げて、
極地に立った人しか語れない貴重なお話が 伺えました。

地球元気村は20年間で約60自治体で開催されたそうですが、
もともとのきっかけは、風間さんの仲間たちからの
「このままで日本はいいのか?」という疑問から始まったそうです。
もっと子どもたちに自然の中で遊ばせたいという気持ちから始まり
キャンプ、カヌー、自然素材からの道具作り、農業体験・・等
地球元気村ではたくさんの自然体験ができます。

「遊びは純粋で嘘をつけない、
遊びの中にこそ本来の人間の気持ちがある」という
風間さんの言葉には感動しました。
便利なものに囲まれている現代生活の中では五感をフルに使うことは
なかなかありません。
それを自然の中で補うという発想に、その通りだなぁと感じます。
大人になると、たしかに幼い頃遊びまわった記憶は普段の生活の中では
すっかり忘れてしまっていますが、
その経験は人生を通して、見えない宝になっているように思います。

夢を持ち続けることの意味、それが大きな原動力になることを
お話してくださいました。
風間さんの偉大な冒険の数々も、夢があるから。
そして冒険のゴールは家族のもとに戻ることなのだそうです。
北極点に到達した時も、南極点に到達した時も
目的を達成した後すぐに思ったのは、
「うちに帰りたい」ということ。
家族の愛が風間さんを支えてきたのです。

風間さん、すてきなお話をありがとうございました。

風間深志さんオフィシャルブログ

イベントの映像

トークショーなど部門主催のイベントの映像は
特任研究員の上遠野さんが作ってくれます。
毎回、テレビ番組の特集のような素晴らしい仕上がりなので
できるだけ多くの方に見てもらいたいほど。

第2回目のゲストの大谷映芳さんも
ご自身が資料として提供された
ヒマラヤなどの山々や辺境の地の写真が
ストーリー仕立ての映像3本にまとめたものをご覧になり、
感嘆されました。
「これ、ください。」とさっそくオーダーがありました。

そして、今回の風間さんの回でも
数々の冒険やアフリカの写真などを
上遠野さんは見事に映像としてまとめてくれました。
風間さんからも
「これ、ほしいなぁ。え、くれるの?うれしいなぁ。」と
喜んでいただきました。

上遠野さん、次回も頼みにしています!

2009年7月9日木曜日

太陽電池関連セミナー

瀬川研究室の内田聡特任准教授も講師に名を連ねる
太陽電池関連のセミナーのご案内です。

「電池の全固体化技術の最前線」

 主 催:電子ジャーナル
 日 時:2009年7月21日(火)9:50~16:10
 場 所:総評会館(東京・御茶ノ水)
 受講料:47,500円(テキスト代/昼食代/消費税含む)
 講 師:1. 2次電池の固体化技術
      物質・材料研究機構 国際ナノアーキテクトニクス研究拠点
      グループリーダー 高田和典氏
     2. 色素増感太陽電池と全固体電解質
      東京大学 先端科学技術研究センター 特任准教授 内田 聡氏
     3. 全固体Liポリマー電池と固体電解質
      名古屋工業大学 大学院工学研究科 物質工学専攻 准教授 中山将伸氏
     4. 綜研化学の電池固体化材料
      綜研化学(株) 研究開発センター 太陽電池材料G 小林文明氏
     5. 第一工業製薬のLiポリマー電池の固体電解質
      第一工業製薬(株) 電子材料研究所 電子情報材料研究グループ
      リーダー 菊田 学氏
     6. アルバックの全固体薄膜Li2次電池一貫量産技術
      (株) アルバック 半導体研究所 所長 鄒 弘綱氏

申込はこちらまで!
「電池の全固体化技術の最前線」

環境の世紀15

環境の世紀ともいわれる今世紀ですが、当部門でも
学生サークル環境三四郎の協力のもと
『環境の世紀』と題した講座を行っています。
今年は「水」を主な切り口として、環境問題を学び、考え、議論することで
学生たち一人ひとりが自分なりの見通しを得ることを目的としています。

まず、先生による講義を行い、そこで得られた知識をもとに
学生たちが自分たちで調べた知識をもとにした双方向的な
ゼミ形式の授業を 行っています。

4月8日(水)の工学部都市工学専攻の花木啓祐教授による
『地球、地域、人間の観点から見た水環境』の講義に始まり、
7月8日(水)の総括ゼミまで、13回にわたって今年は行われました。

『地球水循環とバーチャルウォーター:水の動きをどう見るか』
『水の動きと食料問題』
『人と水の多彩な関係』
『水の汚染について』
『世界最大の水資源ユーザー農業水利が築く水社会』
『”グローカル”とは何か:たとえば、日本の灌漑から考えよう』
『水に対する自分たちの意識を考えてみよう』
・・・等、講義のタイトルだけでも
水資源については様々な切り口があります。

家庭、ビジネス、あらゆる生産活動において
人間が生きていく上で不可欠な水。
よい水が十分にあることが人間活動にとってなにより必要なことである、
という花木教授の言葉が心に残っています。

2009年7月8日水曜日

イベント前準備

トークショー前日です。
本番までに準備することはたくさんあります。

学生サークルの環境三四郎が
いろいろ手伝ってくれているのですが、
学生さんたちとの段取りの打ち合わせや
ゲストへの対応、また当日の総合司会もこなし、
山本光夫特任講師が全体を上手に取り仕切ってくれます。

授業や研究と日々忙しい中、
他の先生方も当日の撮影隊としてなど
さまざまにサポートしてくれています。

部門のメンバー全員がかかわるエコトークショーは、
チームワークの大切さをいつも感じさせてくれます。
さぁ、明日はがんばりましょう!

2009年7月2日木曜日

エコトークショーご案内



当部門主催のエコトークショーの案内です。

第3回新環境エネルギー科学創成特別部門トークショー
 「大自然への挑戦から学んだ自然と家族の大切さ」

  日 時:2009年7月9日(木)18:00~19:30
  場 所:東京大学教養学部105号館1階 特別部門ギャラリー
  ゲスト:風間深志さん(冒険家・NPO地球元気村村長)
  参加費:無料

バイクによる史上初の北極点と南極点到達の記録を成し遂げた冒険家で
NPO地球元気村村長の風間深志さんをお迎えします。
ふるってご参加ください!

  申込先:info@komed.c.u-tokyo.ac.jp
      (一般の方もご参加いただけます)

2009年7月1日水曜日

メルマガ第1号配信!

本日夜、特別部門発行のメルマガ第一号を配信しました。
企画から実現までに2カ月。
どのような形で配信するのがよいか、
瀬川教授をはじめ、部門の先生方と何度も話し合いました。

なかでも、IT面でサポートしてくださった飯田先生には
忙しい中、システム構築から配信までのチェックにいたるまで
相当力を貸していただきました。

今後も不定期ですが、部門発の新鮮なトピックを
お届けしていきたいと思います。

メルマガはこちらから登録できます。
東京大学新環境エネルギー科学創成特別部門メルマガ

2009年6月24日水曜日



幕張メッセで開催されている『第4回新エネルギー世界大会』に
瀬川研のメンバーとともに行ってまいりました 。

さっそくゼファー株式会社のブースで、
「エアドルフィン」が威風堂々展示されているのを見つけました。
おおっ、「経済産業大臣賞」受賞の金メダルがまぶしいです!

今度は、利研計器株式会社のブースでは、スクリーン上の瀬川教授を発見!
このブログのメンバーでもある内田特任准教授といっしょに
会場を見て回りました。
太陽電池についていろいろ解説してもらえラッキーです。

内田先生は、研究中の色素増感太陽電池の実験装置を展示しています。
パネルの色がシリコン結晶太陽電池と比べると、鮮やかな色あいです。
光が当たるとプロペラがくるくると回り出します。
中学時代の実験を思い出して、シュールな気分です。

見どころ満載の展示会でした。
新エネルギーの関するセミナーも盛りだくさんで、朝から夕刻まで
びっちり情報収集できて有意義でした。
皆さんもぜひ一度足を運んでみてください。

2009年6月22日月曜日

エアドルフィンが受賞!



皆さん、こんばんは。松本真由美です。

駒場キャンパスに小型風車が立っていることをご存知ですか?
これは、このブログのメンバーでもある
飯田誠特任講師が研究開発と設計に携わった「エアドルフィン」です。
1機目は2年前に本郷キャンパスに立てられていますので、
これで2機目の導入となります。

エアドルフィンは、見ての通りのスリムなボディ。
本体質量は17.5kgと超軽量です。
小型風車は、一般家庭をはじめビルの屋上、学校、山岳地帯など
様々な場所へ設置できるのが魅力です。

そして・・・、
実は先日、このエアドルフィンが先日産官学連携功労者賞表彰で
経済産業大臣賞を受賞したしました!!
やりました~。
この快挙に関係者一同、喜んでいます。

受賞の理由は、小型風車のポテンシャルを大幅に拡大したことなどが
挙げられていますが、その用途の広さには本当に驚かされます。

たとえば、海洋冒険家の堀江謙一さんのヨットにも
この風力発電システムが導入されているんですよ。
洋上での照明や無線連絡の際にエアドルフィンは大活躍!
堀江さんの夢とロマンの実現に貢献しています。

エアドルフィンについては、きっと飯田先生が
このブログでもいろいろな話を書いてくれるのではないかと思いますので、
楽しみにしてださいね!

2009年6月10日水曜日

大谷映芳さんのエコトーク



6月9日(木)に登山家でNPOアースワークスソサエティ理事長の
大谷映芳さんをエコトークショーのゲストにお招きしました。
4月からスタートした特別部門主催のエコトークショーでは、
第1回目のゲストとして映画コメンテーターのLiLiCoさんを
お迎えしています。

1回目と同様に、巻島隆雄さん(法学部3年・環境三四郎)と
石澤祥子さん(教養学部2年)がナビゲーターを務めましたが、
大谷さんに地球や自然、人間とのかかわりについて伺いました。

K2(8611m)西稜初登攀など、日本を代表する登山家でもある
大谷さんですが、人が足を踏み入れたことのない土地に
惹かれるのだそうです。
遭難しかけ、ご家族に心配をかけたこともあるようですが、
過酷な状況を乗り越えて登頂を果たした時の達成感は何ものにも
代えがたいそうです。
きっと世界観が変わってしまうのでしょうね。

辺境の地での援助活動も熱心に取り組まれていて、
現地でのさまざまなエピソードには笑いも出ました。
もちろん苦労も多いそうですが、
それ以上に現地の人の喜ぶ顔を見ると、
またがんばろうという気持ちになるそうです。

大谷さんの不屈の精神、また国境を越えた活動は
学生たちにとっては良い刺激になったようです。
アンケートからも、環境への取り組みだけでなく、
人生哲学にも共感したという声が寄せられました。

大谷さん、貴重な素晴らしいお話をありがとうございました。

2009年6月8日月曜日

しょこたんの番組ウェブサイトから~瀬川研究室

タレントの中川翔子さんの番組でも
瀬川研究室での研究内容が紹介されたことがあります。
昨年のものですが、ウェブサイトにはアーカイブとして
残されていますので、ご紹介します。

瀬川研の斉藤陽介さん、小松真さん、木下卓巳さんが
登場しました。

中川翔子のGサイエンス

2009年6月6日土曜日

瀬川教授、NHKに出演

6月6日、瀬川浩司教授がNHK教育テレビ『サイエンスZERO』に出演されました。
『ZEROスペシャル 新技術で二酸化炭素を減らせ』

瀬川教授が、SF映画のようにワープしてスタジオ登場し、
おおーと、感激。
研究開発中の色素増感太陽電池について、わかりやすく解説されました。

再生可能エネルギーの中でも太陽光発電については
固定価格買い取り制度などの政府の支援が打ち出されて以来
大きな注目が集まっていますが、
石炭火力発電の約7倍という発電コストの高さが普及拡大する上での
課題となっていました。

色素増感太陽電池は、大がかりな製造装置を必要とせず、
原料不足から価格が高騰している結晶シリコンは使わずに
安価な材料を使っています。
現在実用化に向けて、研究開発が進められており、
今後の太陽光発電の普及拡大のけん引役を担うと期待が
集まっています。

瀬川研究室の研究の進捗状況については
内田特任准教授のホームページをご覧ください。
内田聡先生ホームページ

2009年6月1日月曜日

はじめまして。

本日より、東京大学新環境エネルギー科学創成特別部門の
ブログを始めました。

これから特別部門の研究やゼミ、イベント情報などを
綴ってきたいと思います。

コメントなどもぜひお寄せください。
これからどうぞよろしくお願いいたします。