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2012年2月2日木曜日

田中伸男氏(IEA前事務局長)の講演会へのご案内

おはようございます。ブログの更新が半年ぶりになりました。すっかりご無沙汰してしました。きょうは講演会のご案内です!

○イベント案内:
東京大学環境・エネルギー研究会主催 講演会
「21世紀のエネルギー安全保障―IEA Energy Outlookからのメッセージ」
田中伸男氏
(財)日本エネルギー経済研究所 特別顧問
IEA(国際エネルギー機関)前事務局長

このたびIEA前事務局長の田中伸男氏を講師としてお招きすることになりました。
東日本大震災、そして福島第一原発事故の後、エネルギー基本計画の見直しが進められている我が国のエネルギー政策ですが、私たちが21世紀のエネルギー安全保障問題をどう考えていくべきかをIEAの視点から示唆いただきます。

日時:2012年2月20日(月)17:00-18:30
   (受付 16時30分~)
会場:東京大学先端科学技術研究センター13号館1階旧教授室
定員:30名(参加費無料)

主催:東京大学 環境・エネルギー研究会
共催:東京大学 先端研附属産学連携新エネルギー研究施設、
    東京大学 新環境エネルギー科学創成特別部門



※田中伸男(たなかのぶお)氏プロフィール
東京大学経済学部卒業。1973年通商産業省入省。1987年資源エネルギー庁企画官、1991年科学技術工業局長就任。通商政策局総務課長、在米国日本国大使館公使、OECD科学技術産業局長等を経て、2007年9月IEA事務局長就任。2011年8月に事務局長を退任し、同年9月より日本エネルギー経済研究所特別顧問着任。

■東京大学先端科学技術研究センターへのアクセス、キャンパスマップ
http://www.rcast.u-tokyo.ac.jp/ja/maps/index.html

■資料の準備の都合上、事前にお申し込みをお願いいたします。
下記のメールアドレス宛にご所属とお名前を記載の上、お申込みください。
mmatsumoto@dsc.rcast.u-tokyo.ac.jp

2011年8月31日水曜日

環境エネルギー研究棟竣工記念式典開催

8月25日(木)に東京大学先端科学技術研究センター環境エネルギー研究棟(3号館南棟)の竣工記念式典が行われました。この研究棟は、今後太陽光発電や風力発電等の次世代エネルギーの最先端研究など、エネルギー問題の総合研究開発拠点となります。
 JX日鉱日石エネルギー株式会社と共同研究を行うため、ENEOSラボも開所し、JXから常時数名のスタッフが常駐しています。



 式典の前に瀬川教授がご来賓の皆様を施設にご案内しました。中央は、JX日鉱日石エネルギー(株)木村社長です。



色素増感太陽電池です。



ENEOSラボにて研究内容の説明をしました。


 
 ご来賓とともに、新棟玄関前にて濱田東京大学総長、JX日鉱日石エネルギー(株)木村社長、中野先端研所長、他の皆様によるテープカットが行われました。



 新棟1階ホールにて竣工記念式典が執り行われました。瀬川教授による研究棟の概要説明の様子です。



瀬川研のメンバー一同も、新たな研究環境のもと一層研究活動に精進してまいります。

第6回色素増感および有機太陽電池に関するアジア会議

こんにちは。早いもので8月も末となりました。明日から9月なんて月日が過ぎゆくのは早いですね。
さて、きょうは特別部門のメールマガジンを配信しましたので、その内容を転載します。

○イベント案内
第6回色素増感および有機太陽電池に関するアジア会議(DSC-6)


 2006年にスタートしたこの会議も今年で6回目を迎え、九州の別府で開催することになりました。
色素増感太陽電池を含めた有機系太陽電池の研究が活発化する中、韓国、中国、台湾、オーストラリア、ニュージーランドその他アジア・オセアニア地域の大学や企業の研究者を招き、研究成果の発表と討論を行います。

会場の国際コンベンションセンターは、阿蘇山、湯布院といった風光明媚な環境に囲まれており、会議に加えて、日本最大規模の八丁原地熱発電所の見学など、エクスカージョンも多数ご用意しています。発表申込の〆切は8月31日、参加申込の〆切は9月10日です。有機太陽電池にご興味ある方、ぜひ参加ください!

会期:2011年10月17日(月)、18日(火)
19日(水)は地熱発電所の見学会
会場:別府国際コンベンションセンター
主催:色素増感・有機太陽電池アジア会議事務局
共催:電気化学会光電気化学研究懇談会
協賛:日本化学会、電気化学会、応用物理学会、光化学協会

☆参加申込と詳細は下記HPからどうぞ
http://www.cc.toin.ac.jp/sc/dsc-6/

2011年7月5日火曜日

宮城の被災地に太陽電池ライトを寄贈

○活動報告:宮城の避難所に色素増感太陽電池ライトを寄贈 
被災地支援活動の一環として、5月初旬に宮城の避難所に色素増感太陽電池ライトを98個寄贈しました。このライトは、避難所での生活に役立ててもらうために特別に開発チームが製作したものです。



瀬川教授、内田特任准教授が直接避難所を訪ね、ライトの使い方の説明をしました。
日中充電しておけば、スイッチを押すだけでライトが灯るというシンプルな仕組みで、高齢者の方も簡単に操作できます。




この色素増感太陽電池ライトは、懐中電灯のように明るくしたい周辺を照らしてくれるため、足元灯等として使っていただけるようにと作りました。宮城の避難所では、体育館などの施設を利用しているため、普段は大型の照明を利用しています。就寝時間に消灯し、トイレに立った際に電気をつけると周りに迷惑がかかり、住民間のトラブルになることもあったそうです。「こんな照明が欲しかった。」と喜んで受け取っていただきました。

数日後、避難所の担当の方が写真を送ってくれました。廊下や階段、室内の足元灯としてさっそく使っているそうです。8時間ほど日中充電すれば、十数時間ライトが灯り続けているとのことでした。





 そして先日、寄贈して1カ月半後の様子を確認しようと内田先生が避難所を訪ねました。
「もし使われていなかったら、回収しよう・・・」と思っていたそうですが、避難所ではライトはとても重宝され、担当者を決めて、まとめて日中充電して毎日利用していると、うれしい言葉を頂戴しました。すべて問題なく動いており、大事に使っていただいていました。



 このライトのお陰で、よく眠れるようになり、避難所での生活のストレスが軽減されたと住民の皆さんがとても喜んでいるそうです。
中には、ホームセンターにこのライトを求めて行った人もいたというエピソードも!
まだ市場には出回っていないものなので、申し訳ない気持ちですが、便利でいいものだと思っていただいたことに、開発チームもお役に立てて本当によかったと思っています。




 宮城の避難所で暮らす住民の皆さんは、近く順次仮設住宅に引っ越していくそうですが、それまでの間、このライトには皆さんの生活をサポートできるよう、しっかりがんばってもらいたいです。

DSCへのメディア取材

こんにちは。お元気ですか?
暑い日が続いています。先日配信したメルマガから一部内容を転載します。

○メディア取材
日刊工業新聞

太陽光発電への期待がさらに高まっていますが、瀬川研で開発中の色素増感太陽電池について、メディアからの取材も増えています。日刊工業新聞(6/27)では、「太陽電池低価格化の切り札『色素増感型』に脚光」と題して、瀬川教授のインタビュー記事が掲載されました。
色素増感太陽電池は従来のシリコン型太陽電池とは原理も作り方も異なり、製造コストの低い次世代技術として期待されています。また色素増感太陽電池は、電気化学反応を使っているため、朝夕の太陽光が弱い時間帯でも変換効率の低下が少ないのが特徴のひとつです。
電力ピークの平準化にも役立つため、電力系統への影響はシリコン型と比べて抑えられることができます。




DIME 2011年7月5日号
色素増感太陽電池の研究開発をともに行っている桐蔭横浜大学宮坂研開発チームと
瀬川教授が取材を受けました。瀬川教授は、色素増感太陽電池の紹介とともに、
日本の電力需給バランスや太陽光発電の今後の展望についてインタビューに答えています。
DIMEはただ今発売中ですので、ぜひ手に取って見てみてください。

2011年2月22日火曜日

シンポジウム「海の緑化技術の展開~沿岸生態系修復による炭素固定の展望~」

特別部門が海の緑化研究会とともに開催するシンポジウムのご案内です!

海の緑化研究会、新環境エネルギー科学創成特別部門主催
シンポジウム「海の緑化技術の展開~沿岸生態系修復による炭素固定の展望~」


日本や世界各地の沿岸海域では、海藻群落(藻場)が衰退・消失する「磯焼け」問題をはじめとする生態系破壊の問題を抱えています。藻場の修復については、従来の手法に加えて「鉄」の効果が注目され、分野を超えた幅広い協力で取り組みが進められています。

海の緑化研究会では、海水中の溶存鉄不足に着目し、鉄鋼スラグと腐食様物質を混合したユニットによる藻場再生技術(海の緑化技術)について研究開発を進め、この技術は実用レベルの段階にいたっています。一方で、藻場の修復は、単に緑化技術の実用化にとどまらず、生物多様性の保全や沿岸の生態系の修復による炭素固定へとつながる可能性をもっており、地球規模の環境問題への貢献への期待も大きくなっています。

海の緑化研究会では、研究成果の報告とともに生態系保全・生物多様性の観点から森・川・海のつながりに着目した生態系保全についてのシンポジウムを開催してきましたが、今回のシンポジウムでは、もうひとつの重要課題である地球温暖化問題の解決への寄与に焦点をあてて開催します。

日時:平成23年3月8日(火)13:00-17:40
場所:東京大学教養学部18号館ホール
プログラム:
第一部 13:10-16:20 講演(発表7件)
第ニ部 16:50-17:30 総合討論
懇親会 18:00-    駒場コミュニケーション・プラザ南館3F交流ラウンジ
参加費:シンポジウムは参加無料、懇親会参加費4000円

★詳細はこちらをご覧ください↓
http://www.komed.c.u-tokyo.ac.jp/nedo/seminar.html
★参加をご希望の方は、下記メールにて1)氏名 2)所属 3)役職(学生の場合は学年)4)連絡先(電話、メールアドレス) 5)懇親会参加の有無を明記の上、お申込みください。
申込先:ryokuka_conference@eco.c.u-tokyo.ac.jp
皆様のご参加をお待ちしております!

エコカーがもたらす新しいライフスタイル

こんにちは。本日第20号目のメールマガジンを配信しました。その記事をこちらに転載します。

○環境エネルギーコラム:トークショー報告
東京大学新環境エネルギー科学創成特別部門主催
第9回トークショー「エコカーがもたらす新しいライフスタイル」
ゲスト:清水和夫さん(モータージャーナリスト、レーシングドライバー)



エコカーという言葉を最近よく見たり聞いたりする機会が増えてきましたが、今回は、自動車事情に詳しい清水和夫さんをゲストにお迎えして、学生のおふたり、飯塚修平さん(工学部3年)とミス東大の加納舞さん(工学部3年)の進行のもと、エコカーがこれから私たちの生活にもたらすさまざまな可能性についてお話を伺いました。

まず最初は、1880年代頃のガソリン車の歴史から。量産が始まったのはアメリカのヘンリー・フォードが立役者で、当時、フォードはスタンド・高速道路・自動車の3つを同時に普及させたそうです。「これで仕事をしない乗り物にご飯を食べさせなくてもいい。」というフォードの有名な言葉もあるそうですが、馬車から自動車への大きな時代の転換でした。

自動車のこれまでの歴史の中で、意外だったのが、20世紀初頭、ガソリン車が発明され実用化するまでの20~30年の間、電気自動車の時代があったそうです。石油を使ったガソリン車が発展しなかったら、EVの時代は長かったかもしれないと。では、なぜガソリン車が発展したのか、データを使って説明してくれました。



電気駆動と内燃エンジンの効率を比較してみると、エネルギー密度が圧倒的にガソリン車が高く、これが決め手になりました。EVだとガソリン1キロに対して60キロものリチウムイオン電池が必要になってしまいます。ガソリン車と電気駆動とは両極端のように得手不得手があり、今までの自動車にはできなかったところができるようになったのがハイブリッドで、これから先進国での主流となっていくだろうとのことでした。

世界では、ものすごい勢いで、エコカーのスーパーカーが登場しているそうです。清水さんによると、EVとエンジンはキャラが違うので、2つ持っているととてもおもしろいそうです。長い距離を走るには、ガソリンが必要。EVという新しい仲間が入り、ハイブリッドはブレーキを電気エネルギーとして貯金箱に入れられる。ハイブリッドのスーパーカーで、平日は奥さんがEVで街中で買い物など用事をこなして、週末はダンナさんがエンジンで遠出、なんてライフスタイルも楽しめるわけですと楽しげに話されました。

ところで、清水さんがどういう経緯でレーシングドライバーになったのかというと、22歳の学生の頃に志賀高原ラリーでルーキーとして出場し、いきなり優勝したことに始まるそうです。勝った理由はお金がなくてスパイクタイヤが買えなかったが、雪が降らなかったので勝ったと。2年目にも同じラリーで二連勝し、大学を出て技師として就職したものの、車が忘れられなくて戻ってきたのだそうです。清水さんが最近出場しているレースは耐久レースが多いそうですが、レースもエコを意識するようになってきたそうです。一周毎に燃料消費の量をピットの監督に無線で確認され、数名のドライバーの燃料消費を比較し、もし多く消費していたら、
「もっと燃料消費を抑えて走るように」と注意されるそうです。80年代はCVCCと環境対応したホンダシビックのエンジン制御技術がF1で使われていたとのこと。日本の省エネ技術はF1の世界でも通用しています。「速いことはエコ。軽くしないと速くならないし、空気抵抗を小さくしないと速く走れない。速くなる要素はエコロジーに使える。スポーツカーは反社会的ではない。」
という言葉も印象的でした。



これからの私たちの生活がどうなっていくのか。清水さんによると、これから世界的に自動車が普及拡大していくのは、アジアが中心になるだろうとのこと。ただしハイブリッドなどの高性能車ではなく、今でも相場が20~30万円の車が多いインドにおいては、50万円以下の車を中心に揃っていくだろうとのこと。それでも、数にして数億台が今後アジアを中心に増えるそうです。

一方、先進諸国では、ハイブリッドなどのコンベンショナルなエンジンでクリーンかつ燃費のよいエンジンがさらに伸びて、街中には、ハイブリッドで再生可能エネルギーが使えるようなタウンカーが多く走るようになる。また、リチウムを使った電動アシスト自転車や電動スクーターも増えて、ヨーロッパのようにレンタルで自由に乗れるカーシェアリングを取り入れるところを増やしてはどうかという提案もありました。 ヨーロッパの事例はなかなかおもしろかったです。たとえば、フランスのナントという街は、信号機を街の中心部から取り払ったそうです。ゾーン30、ゾーン15と走行速度を規制し、街の中心部には生活者しか入ることができないようにIT制御をした結果、交通事故は減ったそうです。当然、景観もよくなり、良い面がいろいろ見られるようになりました。

モビリティを発展させるために思い切って街から変えるという発想を自治体に持ってほしいという提案もありました。そうした街づくりは、これからCO2排出を減らしていくことにも効果的ともいえそうです。



これまでの100年間、エンジンと3つのペダルと常識の中で考えてきたものから、EVという技術を使って、いかに新しい自動車を作っていくのか。21世紀のクアトロを作るのだという気概が、今、ヨーロッパの自動車の製造現場にはあるそうです。これから5年くらいで車は大きく変わってくるだろう。 また、これからの高齢社会に向けたモビリティも作っていかなくてはなりません。20年後には、後期高齢者人口が2000万人を超える。だから、高齢者向けに時速20キロくらいのEVを作ってあげて、半径5キロ圏内を快適に移動できるようにしてあげるといいとの話もありました。

これからの車はますます多様性を求められます。日本の自動車業界の強みは、ある意味、優柔不断なところ。たとえばこれから車が急速に普及すると思われるインドでは、必要とされるのは高性能なPHVでもEVでもなく、生活のために必要な車。現在もインドでの日本車率は90%で、スズキだけで70%のシェアがある。タイやインドネシアでも日本車は強い。中国だけ見ていると違うように思えるかもしれないが、ASEANでは日本車は相当強い。

日本はガラパゴスとか言われているが、たくさんの種類をもつと強いんじゃないかとアジア諸国を回っていると感じるそうです。ヨーロッパ車は優れているが、哲学やブランドがかえって邪魔をするかもしれない。今、日本には閉塞感があるが、アジアの人から見たら坂の上の雲は日本かもしれない。もっと日本は、自分たちの価値観を再発見して自信をもったほうがいい。もうグローバル化なんてものは存在していない。ひとつの価値で皆が認める車は必要とされていないと、力強いメッセージがありました。

エネルギー問題は文明社会に直結する問題ですが、これからCO2排出削減をしていくためには、技術だけでエネルギー消費を減らすのは難しく、ライフスタイルからやっていくのが大切で、車のあり方や私たちの車とのつきあい方が解決策にもつながりそうです。

会場からもいくつか質問が寄せられ、活発な質疑応答になりましたが、清水さんのお話から見えてくる自動車がつくる新しいライフスタイルに期待感がぐっと高まった様子でした。清水さん、有意義なお話を本当にありがとうございました。

2011年2月18日金曜日

清水和夫さんのエコトーク

こんにちは。1月に開催された特別部門主催の清水和夫さんのトークショーは、無事盛況のうちに終了しました。来週中にメルマガでイベントの報告をしますが、その前に参加者の皆さんとの集合写真をどうぞ。

2010年11月10日水曜日

ギャラリートークの集合写真

こんにちは。飯田先生からの報告の通り、無事夏の博物館展示企画も終了しました。
第5回のゲストやまだひさしさんと第6回のゲスト村上拓郎先生のギャラリートークでは終了後、皆さんと記念撮影をしましたので、遅ればせながら写真をアップさせていただきます。

第5回集合写真



第6回集合写真



改めてお越しくださった皆様、ありがとうございました。

2010年9月20日月曜日

展示品写真撮影

駒場博物館 自然エネルギーの世界 展もいよいよ閉会となります.
閉会を前に,展示品の写真撮影を行いました.

今回の展示では,さまざまな種類の太陽光電池モジュールをはじめ,多くの新エネルギーシステムを紹介していました.それぞれが,独自の特徴を備えているので,それを表現するために撮影スタッフの方々が,悪戦苦闘してくださいました.朝から始めた撮影の終了時刻はなんと21時.お疲れ様でした.


ここで撮影した展示品の数々は閉会後,図録として皆様に公開予定です.ご期待ください!

2010年9月13日月曜日

古くて新しいエネルギー風力発電

こんにちは。秋風が少し感じられるこの頃です。今年の夏は本当に暑かったですね。
さて、10日(金)に17号目のメールマガジンを配信しましたので、その内容から一部転載します。

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○環境エネルギーコラム:
東京大学新環境エネルギー科学創成特別部門、
東京大学駒場博物館主催
第4回ギャラリートークショー
「古くて新しいエネルギー風力発電とこれからのエネルギー」
ゲスト:飯田誠先生(東京大学先端科学技術研究センター)
2010年8月28日(土)開催

今回のギャラリートークは、当部門の飯田先生にお話しいただきました。恒例の学生さんとの対談形式ではなく、講演1時間に質疑応答30分弱で構成。飯田先生は、駒場キャンパスにも立ち、2009年経済産業大臣賞を受賞した小型風車「エア・ドルフィン」の開発者です。

最初に風力発電の世界的な需要の高さについて解説され、風車の開発者として、その仕組みについてもわかりやすくお話されました。風車は、風が吹くほど、力を発生させることができるけれど、翼の角度によって異なるそうです。発電機は、大きければ大きいほど、また風車が回れば回るほど発電することができます。しかし、速く回すと遠心力が強くなり、また大きくなると重くなって製造するのが大変になります。そこで、軽くて丈夫な素材、構造、設計技術が重要なのだそうです。



約6000年の歴史を持つという風車ですが、日本で最初の風力発電装置が設置されたのは1980年。それから30年経ち現在主流となっている発電用風車は、高い塔(タワー)の上で、3枚の翼が回り電気を作るもので、ダウンウィンド(写真下)とアップウィンド(写真下2番目)の風車に大きく分けられます。駒場博物館展示室内にも、国内メーカ3社(三菱重工、富士重工、日本製鋼所)の協力を得て、それぞれの模型が展示されています。





風力発電の効果について、例えば大型風車(MWT100/2.4MW)1基の場合だと平均風速6.3m/sで、年間約640万kWhの電気を生み出すことができます。これを一般家庭に換算すると約1500世帯分に相当し、石油火力発電所(石油量)に換算すると、約1600kL(ドラム缶8000缶)に相当します。CO2削減量に換算すると、約4700トンもの削減ができ、これをスギの木に換算すると約34万本分が吸収できるCO2量に相当します。風力発電は自然エネルギーの中でも効率がよく、発電量の規模も大きいことがわかります。

その他、風車の翼やナセル(発電機)等がどのように作られるか、風車工場の様子も見せながら解説されました。大型風車が工場から出荷され、現地で建設される際には分割して運ばれ、現場で組み立てられますが、その様子も楽しくお話してくれました。また東京近郊で風車が見たい時は、飯田先生が導入に携わった東京湾臨海風力発電所「東京かざぐるま」や3年前にできた港ヨコハマにある大型風車の紹介もありました。



さらに風車の導入に対する課題については、台風やハリケーンなどの日本特有の問題や風の不規則性の問題、騒音やバードストライクの問題等についても解決の道を模索する方策を提示されました。“風力発電は風が吹いた時だけ発電する”という不規則性の解決策としては、青森県六ケ所村の二又風力発電所での蓄電池併設型の風力発電施設のように風力と蓄電池とのハイブリッド化により問題点の解決を図ることがポイントだそうです。今後は気象予測に基づく風力発電量の予測などの安定化技術も導入が期待されているとのこと。その他、生態系に関わる課題や地域住民の理解を深めていくことの大切さについてもお話されました。参加した皆さんも風力発電の利点と課題をともに考えることで、身近に感じることができた人が多かったようです。



今回は、教養学部で夏に開催した直島キャンプ(飯田先生も指導に当たりました)に参加した高校生も多く参加し、講演後の質疑応答の時間も活発な質問が寄せられました。最後は恒例の記念撮影です。

2010年9月7日火曜日

ギャラリートークポスター

ギャラリートークに出演していただいたゲストには、ポスターにサインしていただき、駒場博物館展示室内に掲示しています。



これまでのところ第5回ゲストのやまだひさしさんまでの5名の方々のサインを掲示中。



今週11日(土)は、村上先生の「色素増感太陽電池」についてのお話です。14時から15時30分です。ぜひお越しください!

余談ですが、夏休み実験講座の風車と太陽電池についても講座で使用した見本を展示中。

2010年9月6日月曜日

11日(土)ギャラリートーク最終回

おはようございます。
もう9月ですが、まだ夏が続いている感じです。
きょうも予想最高気温が34度。
夏の疲れが出やすい時期なので、皆さん気をつけてください。

さて今週土曜日11日は、ギャラリートークの最終回です。

第6回ギャラリートーク
「え、こんな太陽電池もあったの?色素で電力を生み出す色々な話」

ゲスト:村上拓郎氏(桐蔭横浜大学専任講師)
日時:2010年9月11日(土) 14:00~15:30
会場:東京大学駒場博物館展示室内(参加費無料)  
   ※井の頭線・駒場東大前駅下車

ノーベル賞候補のグレッツェル教授に師事した色素増感太陽電池研究の第一人者である村上先生に、色素で作る太陽電池についてお話いただきます。ぜひ皆さん、お越しください。

2010年9月1日水曜日

やまだひさしさんのギャラリートークのご案内

こんにちは。9月に入っても、ギラギラと真夏の陽気ですね。
さて、今週土曜日は恒例のギャラリートークです!
ゲストに、若者を中心に人気のラジオDJのやまだひさしさんをお迎えします。

第5回ギャラリートークショー「エコを楽しもう!音楽とトークではじまるムーヴメント」

ラジオDJとして若者たちを中心に熱い指示を集めるやまだひさしさん。環境問題にも高い関心を持ち、音楽イベントなどをプロデュースする際にもエコなこだわりをもってやっているそうです。やまださんの取り組みから楽しくエコを実践するコツをお聞きします。

テーマ:「エコを楽しもう!音楽とトークではじまるムーヴメント」
日時:2010年9月4日(土)14:00~15:30
会場:東京大学駒場博物館展示室内
ゲスト:やまだひさしさん(DJ・ナレーター)
参加費:無料



ぜひ皆さま、いらしてください。

2010年8月28日土曜日

都留市役所奈良さんのギャラリートーク

26日(木)に配信したメールマガジンからの転載です。

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②第3回ギャラリートーク「小水力発電所元気くんから始まる地域再生」
2010年8月21日(土)開催

新エネ百選にも選ばれた山梨県都留市の家中川小水力発電所「元気くん1号」。現在、市内には元気くん1号と2号が地域に根差して、稼働しています。元気くんの名前はあっという間に全国に知られ、今では各地からの見学者が絶えないそうです。元気くんからはじまった地域再生プロジェクトについて、元気くん立ち上げに関わった都留市役所産業観光課課長の奈良泰史さんをお招きし、講演していただきました。



 奈良泰史さん

平成17年10月31日に、元気くん1号と名付けられた小水力発電所が完成しました。(最大出力20W)都留市が誕生して50周年を記念して、水のまちのシンボルとして、自然にやさしい小水力発電を広めることを目的に、市と市民の協力で設置されたものです。

今では、すっかり元気くんの名前も全国に知られるようになりましたが、導入時はさまざまな苦労があったそうです。資金的にも市民からの出資を募り、NEDOからの補助金も申請し、できるだけ市民の税金を使うのを減らす努力をしました。また、国内で参考になる事例があまりなく、技術的な課題もさることながら、法整備が不十分なためにダム法や河川法等の規制にもずいぶん手こずられました。さまざまな課題や障害をひとつひとつ乗り越えながら、試行錯誤でここまでがんばってきたそうです。



 元気くん1号

市役所から700メートル離れたところに、元気くん2号が今年1月から稼働しています。開放型上掛け水車で、下掛け水車の元気くん1号よりも、水車の上から勢いよく落ちてくる水を鉄製の羽根で受け止めて発電するため、効率よく発電できます。民家のすぐ隣に設置された珍しい事例としても注目されていますが、もともと小さな滝があったところで、水車の羽根による騒音問題も、現代の技術を導入することでなんとか解消できているそうです。



町中に川が勢いよく流れている特性と歴史を生かした自然エネルギーを使った町おこし。世界的に有名な観光地、富士山の近くに位置する都留市は、観光客が通り過ぎる町というジレンマを乗り越え、ふたたび町としての輝きを取り戻しつつあります。

ようやく生まれた小さな流れを無駄にせずに生かして、中山間地のポテンシャルを今後も発信していきたいと奈良さんはお話されました。近く元気くんが発電した電気を使った市役所の電気自動車も町中を走る予定です。これからの中山間地の低炭素社会づくりのモデルの先駆けとして、今後の都留市のさまざまなアクションに期待したいです。

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ギャラリートークは博物館展室内で開催しました。このように展示物に囲まれて、いい雰囲気の中30名ほどの皆さんが参加されました。活発な質問も寄せられて、有意義な90分となりました。奈良さん、ありがとうございました。



最後に有志の皆さまと記念撮影しました。

森田正光さんのギャラリートーク

26日(木)に配信したメールマガジンからの転載です。

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○環境エネルギーコラム:

①東京大学新環境エネルギー科学創成特別部門、東京大学駒場博物館主催
第2回ギャラリートーク「気象予報士森田さんの地球温暖化と未来のおはなし」
2010年7月31日(土)開催

第2回となったギャラリートークでは、お天気キャスターの森田正光さんをゲストにお迎えしました。森田さんは学校を卒業して、日本気象協会に就職され、最年少でテレビのお天気キャスターとしてデビューし、その当時から今にいたるまでお茶の間での高い人気を誇っています。親しみのある明るいキャラクター、難しい気候の問題や天気予報をわかりやすく伝えてくれるTVの中の森田さんが、そのままそこにいる!と感激するほど、楽しいトークショーになりました。

ナビゲーターをつとめた工学部3年の飯塚修平さんが、「夏休みの予定は?」と伺うと、さっそくイースター島の皆既日食について、ご自身で撮影された写真をスクリーン上に見せてお話してくれました。きれいな皆既日食の写真が印象的です。皆既日食は一度見たら病みつきになるとのこと。子どもの頃から科学が好きで、小学生の時は天文クラブに所属していたそうです。

当日も日中の気温が32度を超える暑さでしたが、今夏の異常高温について伺ったところ、東京などの都市部ではヒートアイランド現象が大きな問題であることを示唆されました。地球温暖化問題とヒートアイランド現象を同じように考えてはいけないと釘を刺され、都市部の排熱の問題は深刻で、それがゲリラ豪雨などの原因にもなっているそうです。

また、近年頻発している世界的な異常気象についても、30年前から現在にいたるまでのさまざまな事例のデータを見せながら、ご自身の見解を話されました。異常気象というのは、三十年に一度起きる現象のことをいいますが、排熱などによって大気が不安定になると、地球がなんとかバランスを取ろうとして、そのひずみにより災害が起きやすくなるそうです。「地球からの警告と思ってもいいかもしれない。」という言葉が心に残りました。



地球温暖化問題については、人為的なことが原因で起きているとは思うが・・と前置きした上で、何か起きるとなんでもかんでも地球温暖化のせいにしたがる世の中の風潮はちょっと違うのではないかと、冷静な立場をとられていました。
「気候システムはグレーで不確実な部分がたくさんあって断言することはとても難しい。でも、白黒つけて予報しなくてはいけない気象予報士は、それがつらいところです。」とユーモアも交えてお話されました。

森田さんのお話は、長年の気象予報士の経験に裏打ちされ、とても楽しく有意義で、時間があっという間に過ぎていきました。テレビでは、難しい話をできるだけかみ砕いて伝えていらっしゃいますが、今回のトークショーでは科学的な難しい話もいろいろされ、気候、天気予報、天文といった分野が心から好きな方なんだなと感じました。

著書も多い森田さん。当日は販売された著書にサインしてくださいました。



最後に、参加された有志の方との記念撮影です。



余談ですが、森田さんはトークショーの後に駒場博物館「自然エネルギーの世界」展をご覧になり、ポスターにサインしてくださいました。現在、展示室ではギャラリートークショーに出演されたゲストのサインを展示中です!



森田さん、含蓄ある素晴らしいお話をありがとうございました。

第4回ギャラリートークのご案内

おはようございます。
本日ギャラリートークを駒場博物館で開催します。

東京大学新環境エネルギー科学創成特別部門・東京大学駒場博物館主催
第4回ギャラリートーク「古くて新しいエネルギー風力発電とこれからのエネルギー」

自然エネルギーの世界~未来を拓くテクノロジー~」会期中のほぼ毎週土曜日、
地球環境やエネルギーに関するギャラリートークショーを開催しています。

小型風車「エアドルフィン」の開発者である飯田先生が、風力発電の魅力や仕組み、
世界的な需要の高さ、また風車のエピソードなど、さまざまな角度からお話します。

テーマ:「古くて新しい風力発電とこれからのエネルギー」
日時:2010年8月28日(土)14:00~15:30
会場:東京大学駒場博物館展示室内
ゲスト:飯田誠先生(東京大学先端科学技術研究センター)
参加費:無料

2010年8月23日月曜日

夏休み実験講座(小学生対象)



19日(木)は、小学5、6年生対象の「夏休み実験講座」が開催されました。
午前と午後の部、15組ずつの30組、保護者の方もいっしょに受講されました。
その時の様子を写真でご紹介いたします。

指導にあたった内田先生です。
最初に色素増感太陽電池の仕組みと実験の手順の見本を見せました。



これが色素増感太陽電池です。プロペラが蛍光灯で発電し、くるくる回っています。



では、さっそくやってみよう!





皆さん、真剣に取り組んでいました。







お子さん3人に1人の指導員が入るように、丁寧に実験を進めました。



オルゴールが聞こえたら、色素増感太陽電池がきちんと発電していることに!
「あ、聞こえる!」とお子さん達は大喜びでした。











午前、午後ともに皆、オルゴールが聞こえて大成功です!
では、オルゴールが聞こえたら、次はプロペラが回るかな。3人の電極をつないでみよう。



自然光ではなくて、光源(ライト)を当ててみよう。プロペラは回るかな?



午前の部、午後の部参加のみんなと記念撮影。





お子さんたちは最初は緊張していた様子でしたが、うまくオルゴールが聞こえて、とても喜んでいました。
帰り際は、元気に「楽しかった!」「またやりたい!」との声があがりました。
楽しく実験してくれたようです。
明日は、中学生対象です。