2012年2月2日木曜日

田中伸男氏(IEA前事務局長)の講演会へのご案内

おはようございます。ブログの更新が半年ぶりになりました。すっかりご無沙汰してしました。きょうは講演会のご案内です!

○イベント案内:
東京大学環境・エネルギー研究会主催 講演会
「21世紀のエネルギー安全保障―IEA Energy Outlookからのメッセージ」
田中伸男氏
(財)日本エネルギー経済研究所 特別顧問
IEA(国際エネルギー機関)前事務局長

このたびIEA前事務局長の田中伸男氏を講師としてお招きすることになりました。
東日本大震災、そして福島第一原発事故の後、エネルギー基本計画の見直しが進められている我が国のエネルギー政策ですが、私たちが21世紀のエネルギー安全保障問題をどう考えていくべきかをIEAの視点から示唆いただきます。

日時:2012年2月20日(月)17:00-18:30
   (受付 16時30分~)
会場:東京大学先端科学技術研究センター13号館1階旧教授室
定員:30名(参加費無料)

主催:東京大学 環境・エネルギー研究会
共催:東京大学 先端研附属産学連携新エネルギー研究施設、
    東京大学 新環境エネルギー科学創成特別部門



※田中伸男(たなかのぶお)氏プロフィール
東京大学経済学部卒業。1973年通商産業省入省。1987年資源エネルギー庁企画官、1991年科学技術工業局長就任。通商政策局総務課長、在米国日本国大使館公使、OECD科学技術産業局長等を経て、2007年9月IEA事務局長就任。2011年8月に事務局長を退任し、同年9月より日本エネルギー経済研究所特別顧問着任。

■東京大学先端科学技術研究センターへのアクセス、キャンパスマップ
http://www.rcast.u-tokyo.ac.jp/ja/maps/index.html

■資料の準備の都合上、事前にお申し込みをお願いいたします。
下記のメールアドレス宛にご所属とお名前を記載の上、お申込みください。
mmatsumoto@dsc.rcast.u-tokyo.ac.jp

2011年8月31日水曜日

全学体験ゼミナール報告

「海の森」再生の最前線を体験する

 今年度の全学体験ゼミナールのうち、山本光夫特任准教授が引率した「『海の森』再生の最前線を体験する」が、8月4日(金)~7日(日)に行われました。

 東京大学教養学部の学生の他、共同研究を行う北海道大学の福島正巳准教授と学生さんも参加し、実際の磯焼けの現場と鉄供給による藻場再生実証試験が行われている海域の視察などを行いました。磯焼け回復への取り組みや様々な立場にある関係者に触れることを通じて、一般的に環境問題解決のためには、どのようなアプローチが必要であるかを学びました。



 具体的には1日目は新日本製鐵の室蘭製鉄所見学と藻場再生への取り組みの説明、2日目は北海道大学見学のあと、午後に増毛町海岸でのフィールドワーク、そして3日目は座学の講義とゼミ全体のまとめを行いました。

 通常の教室での授業では得ることのできない貴重な体験をすることができ、特別部門の全学体験ゼミはこの5年間、学生さんにとって何かしらの将来へのきっかけを与えることができたのではないかと自負しています。

メディア掲載2

北海道新聞(2011年8月16日・火曜日朝刊)
藻場復活へ手応え~鉄鋼スラグで磯焼け対策実験

 山本光夫特任准教授が、新日本製鐵と増毛漁業協同組合とともに、製鉄所から出る副産物の鉄鋼スラグを使い、磯焼けで海藻が生えなくなった藻場を復活させようと、増毛町の海岸線で2004年から実証実験を行っています。

 8月上旬に東京大学全学体験ゼミナールで学生らを引率して増毛を訪れた際に、山本先生を北海道新聞が取材しました。効果は確実でメカニズムを研究中とのコメントも掲載されています。
増毛での効果を踏まえて、鉄鋼スラグを使った磯焼け対策の試みが全国各地で行われているそうです。


メディア掲載1

都市問題(2011年8月号)
山本光夫特任准教授寄稿「東北における水産業の復興と沿岸域の環境」(10~14ページ掲載)


 「震災復興と水産業のこれから」を特集した「都市問題」8月号で、当部門の山本特任准教授が「東北における水産業の復興と沿岸域の環境」と題して寄稿しています。大津波は1兆円超の水産被害をもたらしましたが、津波に起因する沿岸生態系の変化と破壊も危惧されています。

 環境化学工学を専門とする山本先生は、これまで特に藻場を中心とした沿岸生態系の修復プロジェクトに取り組んできました。具体的には鉄鋼スラグと未利用バイオマス資源を有効活用した藻場再生技術の研究開発を軸としたものです。

 山本先生は沿岸域の生態系、生物多様性、地球温暖化問題解決に向けた展開も行なっており、今回の大震災における沿岸漁業を中心とした東北の水産業の復興支援活動に携わっています。
本稿では沿岸域の環境について懸念されること、また東北の水産業の復興への取り組みがどうあるべきかについて書いています。

関心のある方はぜひ手に取ってお読みください。




環境エネルギー研究棟竣工記念式典開催

8月25日(木)に東京大学先端科学技術研究センター環境エネルギー研究棟(3号館南棟)の竣工記念式典が行われました。この研究棟は、今後太陽光発電や風力発電等の次世代エネルギーの最先端研究など、エネルギー問題の総合研究開発拠点となります。
 JX日鉱日石エネルギー株式会社と共同研究を行うため、ENEOSラボも開所し、JXから常時数名のスタッフが常駐しています。



 式典の前に瀬川教授がご来賓の皆様を施設にご案内しました。中央は、JX日鉱日石エネルギー(株)木村社長です。



色素増感太陽電池です。



ENEOSラボにて研究内容の説明をしました。


 
 ご来賓とともに、新棟玄関前にて濱田東京大学総長、JX日鉱日石エネルギー(株)木村社長、中野先端研所長、他の皆様によるテープカットが行われました。



 新棟1階ホールにて竣工記念式典が執り行われました。瀬川教授による研究棟の概要説明の様子です。



瀬川研のメンバー一同も、新たな研究環境のもと一層研究活動に精進してまいります。

第6回色素増感および有機太陽電池に関するアジア会議

こんにちは。早いもので8月も末となりました。明日から9月なんて月日が過ぎゆくのは早いですね。
さて、きょうは特別部門のメールマガジンを配信しましたので、その内容を転載します。

○イベント案内
第6回色素増感および有機太陽電池に関するアジア会議(DSC-6)


 2006年にスタートしたこの会議も今年で6回目を迎え、九州の別府で開催することになりました。
色素増感太陽電池を含めた有機系太陽電池の研究が活発化する中、韓国、中国、台湾、オーストラリア、ニュージーランドその他アジア・オセアニア地域の大学や企業の研究者を招き、研究成果の発表と討論を行います。

会場の国際コンベンションセンターは、阿蘇山、湯布院といった風光明媚な環境に囲まれており、会議に加えて、日本最大規模の八丁原地熱発電所の見学など、エクスカージョンも多数ご用意しています。発表申込の〆切は8月31日、参加申込の〆切は9月10日です。有機太陽電池にご興味ある方、ぜひ参加ください!

会期:2011年10月17日(月)、18日(火)
19日(水)は地熱発電所の見学会
会場:別府国際コンベンションセンター
主催:色素増感・有機太陽電池アジア会議事務局
共催:電気化学会光電気化学研究懇談会
協賛:日本化学会、電気化学会、応用物理学会、光化学協会

☆参加申込と詳細は下記HPからどうぞ
http://www.cc.toin.ac.jp/sc/dsc-6/

2011年7月5日火曜日

宮城の被災地に太陽電池ライトを寄贈

○活動報告:宮城の避難所に色素増感太陽電池ライトを寄贈 
被災地支援活動の一環として、5月初旬に宮城の避難所に色素増感太陽電池ライトを98個寄贈しました。このライトは、避難所での生活に役立ててもらうために特別に開発チームが製作したものです。



瀬川教授、内田特任准教授が直接避難所を訪ね、ライトの使い方の説明をしました。
日中充電しておけば、スイッチを押すだけでライトが灯るというシンプルな仕組みで、高齢者の方も簡単に操作できます。




この色素増感太陽電池ライトは、懐中電灯のように明るくしたい周辺を照らしてくれるため、足元灯等として使っていただけるようにと作りました。宮城の避難所では、体育館などの施設を利用しているため、普段は大型の照明を利用しています。就寝時間に消灯し、トイレに立った際に電気をつけると周りに迷惑がかかり、住民間のトラブルになることもあったそうです。「こんな照明が欲しかった。」と喜んで受け取っていただきました。

数日後、避難所の担当の方が写真を送ってくれました。廊下や階段、室内の足元灯としてさっそく使っているそうです。8時間ほど日中充電すれば、十数時間ライトが灯り続けているとのことでした。





 そして先日、寄贈して1カ月半後の様子を確認しようと内田先生が避難所を訪ねました。
「もし使われていなかったら、回収しよう・・・」と思っていたそうですが、避難所ではライトはとても重宝され、担当者を決めて、まとめて日中充電して毎日利用していると、うれしい言葉を頂戴しました。すべて問題なく動いており、大事に使っていただいていました。



 このライトのお陰で、よく眠れるようになり、避難所での生活のストレスが軽減されたと住民の皆さんがとても喜んでいるそうです。
中には、ホームセンターにこのライトを求めて行った人もいたというエピソードも!
まだ市場には出回っていないものなので、申し訳ない気持ちですが、便利でいいものだと思っていただいたことに、開発チームもお役に立てて本当によかったと思っています。




 宮城の避難所で暮らす住民の皆さんは、近く順次仮設住宅に引っ越していくそうですが、それまでの間、このライトには皆さんの生活をサポートできるよう、しっかりがんばってもらいたいです。