2010年6月13日日曜日

さかなクンと考える生物多様性

6月12日(土)に配信したメールマガジンからの転載です。

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○環境コラム:
新環境エネルギー科学創成特別部門主催
第8回トークショー
「お魚から見る環境問題~さかなクンと生物多様性を考える」

先月20日(木)、東京海洋大学客員教授でお魚らいふ・コーディネーターの
さかなクンをお招きしてトークショーを開催しました。開演1時間前から
待っている学生さんもいて、会場内に入りきれないほど、実に百数十名もの
参加者が集まりました。



今回はお魚と海の生物多様性を考えるテーマのもと、プロのイラストレーター
でもあるさかなクンが、模造紙やホワイトボードにイラストを描きながらの
レクチャー形式のトークショーです。
さかなクンの含蓄あるお魚の話には、会場からは「ギョギョギョーー!」と
あちこちから声が出て、会場はスタートから賑やかに盛り上がりました。



レクチャーの中では何度かさかなクンがクイズを出しました。見事正解すると、
さかなクン直筆のイラストの色紙やレクチャーで描いたイラスト入りの
模造紙が参加者にプレゼントされました。プレゼントされた学生さんたちは
笑顔いっぱいに喜んでいました。

いわし、あじ、あゆ、かつお、ハリセンボンなど、卵から稚魚、成魚と
なっていくプロセスの中で、他の海洋生物に食べられたりしても、
人間による乱獲や破壊的な開発などがなければ、これまで自然の中で
生態系のバランスは保たれてきたということ。
海の中ではさまざまな生物の命が輪になってつながっていることが、
さかなクンの解説からよくわかりました。



また、いつものように教養学部の学生さんふたりが司会進行をつとめて
くれましたが、今回は海の緑化研究会会長で海洋環境技術論が専門の
山本光夫特任准教授も司会のサポートに入りました。山本先生からは、
専門である「磯焼け」(沿岸地域での海藻の多くが衰退し、漁獲量が
減り漁業に打撃を与える現象)に対して、鉄鋼スラグと
腐植物質を利用した『海の森再生プロジェクト』という磯焼け回復技術に
ついて紹介がありました。

それに対してさかなクンは、
「北の海では磯焼けという問題が起きているけれど、南の海ではサンゴの
白化という問題が起きている」として、なぜサンゴの白化が起きるのかに
ついてイラストを交えながらお話してくれました。
北の海は四季を通して海水温が変化するため、海の中の生態系も変化に
対して強い性質をもっていますが、南の海は年間を通して海水温の変化が
北の海ほどないため、海水温の上昇等の環境の変化に大きく影響されるの
だそうです。海をテーマとしたおふたりの話に学生さん達も熱心に耳を傾け、
会場からは多くの質問が寄せられました。




さかなクンの渾身を込めたレクチャーに、90分のトークショーは
あっと言う間に終わってしまったという印象でした。
参加者の誰もが感嘆したのは、さかなクンのあふれんばかりの豊富な
お魚と海の知識でしょう。最後に参加者との記念撮影です。



さかなクン、本当にありがとうございました!
ぜひまた機会ありましたら、キャンパスで素晴らしいレクチャーを聞かせてください。

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